曇天の続き

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2009-11-01 Sun.

初見

2009-11-01

十年たてば一昔に
何かと意味を探したがる
だけど
woo baby それは偶然にすぎない
woo baby ふりだしにもどれ!

ふと思い出した旋律。
上はその旋律に当てられた歌詞である。
国道同士が十字路を形成する交差点で、排気ガスで頭をやられながら自転車を走らせた時に思い出した。
三萩野じゃないよ。

交差点の脇には、教会がある。
教会の上には、ある施設があり、その施設の上には大きな看板が掲げられている。
そこには、「人生再チャレンジ修業」風な言葉が書かれている。

「再チャレンジ」。
2年くらい前に政府関係者がしきりに発言していたと記憶する。
言葉がうさんくさいのは我慢するけど、今ほとんどこの言葉を聞かれないのを思うと、せめて続けて欲しいものだなとは思う。
あの時発言していた人たちは、今は自分たちの「再チャレンジ」で頭がいっぱいである。
とても庶民の暮らしのことまで考えられないだろう。

ともかく、上記の歌詞である。
数年間潜伏し続け、突然浮上した記憶。
何の歌だったかもちろん覚えている。
First Impressionの2枚目のアルバム「supernatural」の1曲目「全ては終りから始まるのさ」である。
東京で初めて買ったアルバム。
1997年2月27日、新宿東口のタワーレコードで買ったんだと思う。
まだFlagsはなくて、武蔵野館がある付近のビルの2階か3階にタワーレコードはあったはずだ。

そのCDはまだ家にあるはずだが、iTunesに取り込んではいなかった。
せっかく記憶が再訪してくれたのだから、取り込むことにしよう。

奥からCDを引っ張り出すと、ケースのちょうつがいの部分にひびが入っていて、ふたがはずれてしまう。
そういえば、買ったときからこうなっていたのだ。
もっとも、買ったのは東京だったが、気付いたのは小倉に戻ってからなので、当時は文句を主張することができなかった。

メガネ吹きでCDを放射状に拭き(保管していたCDには大抵カビが生えている)、iTunesにCDを取り込んでいる間に、ケースを新しいものに取り替えた。
285枚目のCDである。
もっとも、iTunesにおける285枚目であり、Media Playerにも数十枚分のCDが死蔵されている。
あの扱いは、どうしたらいいものなのだろう。

早速聞いてみる。

十分聞くに堪える。
僕はまだこのアルバムを嫌いになってはいないようだった。

ウェブ社会の素晴らしいところは、音沙汰のないアーティストの動向を調査できることである。
だから、いつまでもアーティストのファンでいられる。
だから、今でも僕は「8分のバニラ」の現状を知ることができ…、何にでも限界はある。

生まれて初めて「First Impression」のことをウェブで調べてみた。

このサイトが見つかった。
バックナンバーを読むと、気をそそられる作品ばかり並んでいる。
しばらくはここに挙げられたアルバムを聴いていくことにしよう。

で、長々と前置きがあったわけだが、ここからが本題。
上でリンクしたサイトから得た情報によると、僕にとって驚愕の事実が判明した。

僕が好きだったFirst Impressionのメンバーのうちの2人は、これまた僕が好きなOriginal Loveに以前所属していた。
僕はこの事実を十数年は知らず、First Impressionを聞き続けていたことになる。

道理で、First Impressionを気に入っていたわけだ。
またまた、「相変わらず囚われている」という現実に慟哭しそうになる。

ソニーも言っている。

10代で口ずさんだ歌を、
人は一生、 口ずさむ。

だから、大人たちは10代からなけなしの小遣いを搾取しようとしているのだ。

そこに意味はない。
振り出しに戻って「再チャレンジ」しても、結局10年経てばまた元通りだろう。

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