曇天の続き

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2012-06-30 Sat.

厳存

2012-06-30

SHIBUYA TSUTAYAに置いてない映画はない、とよく聞く。
ただ、僕は行ったことがなかった。

ふと、DVD化されていないVHSのソフトもレンタルされているのだろうか、と気になった。
ウェブから在庫を検索してみると、見たいけど手に入らなかったVHSがいくつかあることがわかった。

そこで、SHIBUYA TSUTAYAに初めて行ってみた。

スターバックスの裏に回り、「交差点を歩くとき、いつもここから無断で撮影されているのか」と憤る。
このときも、4人がカメラを交差点に向けていた。
こちらも後ろから撮影すればよかった。

ビデオコーナーに行く前に、CDコーナーに立ち寄る。
CDも在庫が多くて、欲しいものを全て借りていたらきりがない。
大正九年のアルバムを借り、NECが出した映画「ふたり」のサウンドトラック(旧版)を借りる。

ビデオコーナーに移動する。

僕の数少ないポジティブな特徴の一つが背の高いことであるのだが、その僕でも陳列棚の高さに圧倒された。
対策は取っているに違いないが、それでも地震の心配をしてしまう。
どれだけ高いかというと、一番上の商品を取るために、これまでどの店でも使う必要のなかった踏み台を初めて使ったくらいだ。

そして借りてきたのが、「あさってDANCE」のVHSである。
僕が好きな「「あ」で始まる映画三部作」の中で、今のところ「あさってDANCE」だけがDVD化されていない。
新しい方ではなく、中嶋朋子が主演を務めた1991年の作品の方である。

今回見るまで、筋をほとんど忘れていた(20世紀に見た映画のほとんどを忘れてしまった)。
覚えていなかったので、裕木奈江が出てきたことにもすごく驚いた。

こういう話としては、とてもバランスの取れたすばらしい映画だと思う。
磯村一路監督を見直し、「がんばっていきまっしょい」をもう一度見ようかと一瞬思ったが、たぶんこちらの印象はそれほど改善されないだろう。

ということで、「あさってDANCE」は渋谷のツタヤにある。
在庫のVHSがいつまで状態を保てるか不安なので、BD化を希望する。

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2012-06-29 Fri.

池尻

2012-06-29

前もって言っておくが、ロケット砲の件は、コメントしない。

矢部美穂のブログによると、彼女は子宮筋腫を患っているのだという。
3年間ほったらかしで、検査したら内膜症と共に大きくなっているのだという。

知識がないので、どのくらいの重大さがある病気なのかよくわからない。
思うのは、「スーパーJOCKEY」で見ていた時からこういう病気になった話をウェブで知るまで、もうかなりの時間が経っている、ということだ。

しみじみしてしまうが、共感する人が身近にひとりもいない。
マスメディアすら取り上げない。

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2012-06-28 Thu.

奪還

2012-06-28

NHKオンデマンドで「クローズアップ現代」を見ようとしたが、見たかった回だけがオンデマンドでは視聴できなかった。
見たかったのは2012年6月26日放送の「「忘れられる権利」はネット社会を変えるか?」の回。
配信されないのは当然と言っては当然。

ただ、NHKのウェブサイトで放送内容がまるごとテキストになっていたので、フォローアップはできた。
受信料を受け取っているので、分厚いサービスを提供するのも当然と言っては当然、なのかな。

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2012-06-27 Wed.

触札

2012-06-27

電車に乗っていると、前の座席に座っている人が手に持っている資料に「小原莉子」と大きくあるのを発見する。

検索すると、The Sketchbookのギター担当だという。
ノルマを達成し解散を免れた、とのことなので、きっと売れているのだろう。

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2012-06-26 Tue.

髭剃

2012-06-26

政権を担っているときにマニフェスト通りに行動できなくなったら、必ず衆議院を解散し、国民に信を問います。

そういうマニフェストを掲げている政党の候補者に次は投票したいものだが、これだと自己言及のパラドクスに陥りそうだ。

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2012-06-25 Mon.

変身

2012-06-25

山本太郎の妻のブログを、妻の母親の再婚相手が本人になりすまして更新し、嘘の情報を書き込んでいたのだという。
これまで、メディアは、妻のブログの内容を基にし、彼女の話としてそのまま報道していた。
もっとも、この一連の騒ぎ全般が何だかよくわからない。

ブログが、報道の一次情報として認められる時代である。
仕事は楽だろうけど、こちらとしては金を払いたくない。
金を払わなければ、騒ぎが収まるのだろうか。

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2012-06-24 Sun.

悲劇

2012-06-24

「8分のバニラ eden」というフレーズで検索すると、検索結果にあるウェブサイトが現れた。

記述によると、著者は誕生日を迎えるに当たって、昔聴いていた曲を2曲思いだし、検索したのだという。
その1曲が8分のバニラの曲で、もう1曲の方は、有名ではないアーティストの有名ではない曲のようだった。

いつもなら、これ以上追求せずに読み流す。
しかし、今回に限って、8分のバニラを聴いていた人が、どういった曲を挙げているのか気になった。
似たような好みを持つ人の嗜好は、とても頼りになるからだ。

ウェブサイトはYouTubeにリンクされていたので、リンク先の映像を見てみることにした。

映像の最初に、「comedy and tragedy」という文字が映る。
鳥肌が立った。
まさにこれこそ、僕が10年以上探していた曲だ!

10年以上前、確か何かの深夜TV番組でこれがかかっているのを覚えていた。
「コメディ」「トラジェディ」というフレーズを覚えていて、誰が歌っているのかまでは気が回らなかった。
そこまで興味がなかったのか、CDを手に入れることはなかった。

ところが、時間が経っても曲のサビだけは忘れることがなく、何年も後にある日突如として思い出されることがあった。
曲の記憶はあるけれど、詳しいことは全くわからない。
この歌は一体誰が歌っているのか、何というタイトルなのか、ずっと気になっていた。

やがて、世の中は「ウェブ万能社会」になった。
検索エンジンが、記憶の断片の復元を手助けするようになった。

手がかりは、「コメディ」と「トラジェディ」という単語と、サビのメロディのごく一部しかなかった。
タイトルに「コメディ」と「トラジェディ」という単語が入っていたのは間違いないはずだ。

「コメディ」「トラジェディ」「comedy」「tragedy」というフレーズを検索エンジンに打ち込む。
しかし、該当する結果は見つからなかった。
この作業を2年に1度くらいの割合で続けていたのだが、欲しい情報は得られなかった。

せめてアーティスト名を覚えていれば、見つかっていたのかも知れない。
あるいは、タイトル名すら間違って覚えているのだろうか。
そう思うと、「なぜメモをしておかなかったのか」と悔やむ思いが募った。
この後悔と一生付き合っていくことになるのだ。

それが、ここに来て突然解決したのだ。
僕の人生において、こんな興奮はめったにない。

アーティスト名はBARGAINSである。
その名がわかっても、思い出すことは何一つない。
そして正式な曲名は何と、「コメディアンドトラディ」だった。
道理で、「トラジェディ」で検索してもひっかからなかったわけだ。
「コメディアンドトラジティ」という記述もあるのだが、まさかね。
この曲を知ったのは、日本テレビの深夜ドラマ「出歯ガメ」の主題歌としてだった、ということもわかった。

そんな苦労をし、思いがけない形で再会することができた、BARGAINSの「コメディアンドトラジディ」。
聴いてみると…、今となってはまあ普通。

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2012-06-23 Sat.

下説

2012-06-23

「ピロートーク」とか「サゲイスト」とか、リビングで話題にするには説明しづらくて品のない言葉を発するCMども。

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2012-06-22 Fri.

愛着

2012-06-22

紗綾のDVDを借りる。
理由はもちろん、北九州市特命観光大使としての働きを見守り、応援するためである…。

紗綾に限らず、いったい誰がどういう基準で何を意図して「観光大使」を選出しているのだろう。
選ばれた側、選んだ側、選ぶように教唆した側、それぞれの思惑を想像することはできるが、目には見えない。

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2012-06-21 Thu.

変値

2012-06-21

川本真琴がNHK FMの昼の番組「ここはふるさと旅するラジオ」に登場するというので、録音しておいた。
NHKの出演は約10年ぶり、とのこと。

聞いてみると、番組は福井県からの生中継であった。
アナウンサーが、前日は「サカイ市」からの中継だったと言う。
こちらは堺市のことだと勘違いしたが、おそらくは福井県の坂井市のことを言ったのだろう。
きっと福井県の人は、「全国の人は音だけで「サカイ市」のことを「坂井市」だと認識するだろう」と認識しているのだろう。
相変わらず僕は、その認識の範囲外にいるし、僕が使っている漢字変換ソフトもその範囲外にいる。
近いうちに「堺市」の名称は消滅する、と見込んでのことなのかも知れない。

この日の放送は、福井市にある仁愛女子短期大学からの中継であった。
川本真琴の母校である。

まだまだ時間が残されている。
生き抜くのは大変である。
そんな、何だか頭の痛くなるような感想を得た。

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2012-06-20 Wed.

時差

2012-06-20

結婚と妊娠は、たとえ同時に報告することが可能であっても、別々に報告した方が、2度話題になって、よい。

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2012-06-19 Tue.

報酬

2012-06-19

住宅メーカーのCMで、BGMとして一青窈が歌う「home」が流れている。

これ、そんなに古い曲でもないのに、一青窈が歌う必要があるのだろうか。
本人が歌ったものを使えばいいのではないだろうか。

かいがないし、機会は既得権益を有するものに略奪される。

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2012-06-18 Mon.

恙無

2012-06-18

事情はわかるけど、「死のグループ」って安易に言いすぎのように感じる。
部外者にとってはもはや、どんな大会にも必ず含まれるもの、という風な感覚にまで麻痺している。

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2012-06-17 Sun.

九策

2012-06-17

今日、「JIN 仁 完結編」を見終わった。
最終回から1年が経過した、今である。
この感動を誰とも分かち合えない。

今さらだけど、見ていない人にはおすすめしたい。
見所は、原千晶の変貌である(ただし、変貌の大きな原因は治療にあるのだろうし、変貌していたとしてもストーリーには影響を及ぼさない)。

しかし、TVのレギュラー・ドラマを放送後に他人に推薦するのは勇気(あるいは傲慢)がいる。
何と言っても、映画と違って視聴に時間がかかるからだ。

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2012-06-16 Sat.

懲罰

2012-06-16

つまり、福岡は下に見られている、ということだ。
まさか「あるあるCity」マターではないだろう。

そもそも、不公平なのが芸能界だと思う。
処分にぴしゃっと差がついとうのは当然である。

それにしても、未成年には結構きつい内容の暴露記事である。
実態はともかくとして、若い人たちは覚悟を決めてメールを打つ必要がある。

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2012-06-15 Fri.

宣告

2012-06-15

証券会社から憂鬱なメールが届く。

週末にギリシャの再選挙の結果が出る。
週明けは、為替が大きく動くかも知れない。

何か、世界の終末を告知されたような気分だ。
ただ、今は外国通貨を保有していないので、直接は関係ない。
あくまでも、直接は。

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2012-06-14 Thu.

転身

2012-06-14

そういえば、小林恵という人がいた、と思い出す。
1998年の日記には、映画「モスラ」に対して「小林恵とか出ているけど、一体誰が見るのだろう。東宝はどうしてまともに金を使わないのだろう」と書いてある。
今となっては、全くもって真意が不明であるが、失礼なことを書いている。

2012年にできることと言えば、検索エンジンを使ってウェブサイトから小林恵の情報を得ることである。

現在、彼女はmegという名前でジャズシンガーをしている。
どういう経緯なのか、よく知らない。

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2012-06-13 Wed.

細菌

2012-06-13

路上で「レバ刺し あります」と勧めてくる飲食店の店員の振る舞いを不思議に思う。
僕のようなひねくれ者からすれば、「当店は危険に対する認識が甘いですよ」といっているのと同じだからだ。

建前上、危険性が高いからレバ刺しは禁止される。
期限が到来したら危険性がいきなり高くなる、というものではない。
「うちはよそと違って、ちゃんとしているよ」と主張する店もあるが、そんな店、もう絶対に行かない。

万が一営業停止を食らっても、「メンテナンスのために休みます」という張り紙を出すというテクニックはある。
フィクションみたいな話だけど、実際に起こった話であるということを聞くと、「人の想像した未来は実現できる」という言葉を思い出す。

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2012-06-12 Tue.

造影

2012-06-12

「夢は、体の不調を暗示している」という説が「いいとも増刊号」で紹介されていた。
僕は、その説を根拠もなく激しく信じている。

先日は、頭を皿で殴られる夢を見た。
きっと、脳血管障害でもあるのだろう。

また、別の日には、指の一部が蛇になり、その蛇が自分の太ももにかみつく、という夢を見た。
きっと、手の自由がきかなくなり、飼い犬にかまれる病気にでもなりかけなのだろう。

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2012-06-11 Mon.

周知

2012-06-11

そりゃ、名義貸しでしょうね。

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2012-06-10 Sun.

寸借

2012-06-10

近所のコンビニエンスストアで、会計をする店員からnanacoをすすめられる。
「Suicaは電車で、nanacoはコンビニで。よろしくお願いします」とのことだった。
30秒は時間を余分に費やした。

この店員は、nanacoについて一体どれだけ知っているのだろうか。
こちらが抱いている疑問に正確に答えてくれるのだろうか。

世の中、ビッグデータブームである。
「システムの処理能力の向上により、これまでは処理できなかった大量の詳細購買データを分析することが可能になり、より効果的な販売戦略を立てられるようになった」とは、報道なのかドキュメンタリーなのか宣伝なのかよくわからないニュース番組からの請け売りである。

僕には、これが「自分の個人情報が、他人の金儲けに利用されている」ように思える。
データ提供料を支払って欲しい、と思うのだが、相手は利便性の提供というもので支払っているつもりのようだ。
ポイントで還元しているつもりもあるのだろうが、それにしては還元率が低すぎる。
TV番組で大々的に主張するくらいの効果があるのなら、もっと還元して欲しい。

だから、nanacoをすすめてくる店員には、個人情報をどのように利用するつもりなのか、正確に包み隠さず説明して欲しい、と願う。
実態を知っているからこそ、人の時間を強奪してでもすすめてくるのだろう。
もっと強く願うことは、会計を早く済ますことができるように練習して欲しい、ということだ。
僕がコンビニエンスストアに求めるのは、愛想の良さや店員との温かいコミュニケーションではなく、迅速さや正確さである。

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2012-06-09 Sat.

超九

2012-06-09

「R25」に掲載されていた千原ジュニアのインタビューで次のように書かれていた。

ビートたけし、タモリ、明石家さんま、笑福亭鶴瓶、所ジョージ、高田純次、関根勤、志村けんら、それぞれのフィールドでバリバリ活躍している50-60代の先達9人の名を挙げ、「ウルトラナイン」と称えた。

相変わらずのネーミングセンスはともかくとして、「ら」で済ませるくらいなら記事にしなければいいのに、と思う。
そこまで配慮して書くほどの情報に思えない。

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2012-06-08 Fri.

閃光

2012-06-08

「一発屋」と一般に称される人をCMに起用する企業があるが、起用した企業の方が「一発屋」よりも寿命が短いんじゃないかと思える例もある。
例えばダンディ坂野を起用した…、言えない。

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2012-06-07 Thu.

必視

2012-06-07

昨日は、国民が絶対に見なければならないあの番組を見忘れた。
そう、「吉田類の酒場放浪記 番外編」を…。

見逃した番組のことはさておき、総選挙の方は見た。
番組を見て、「僕はTVが好きである」と改めて確信する。
内容に興味があるというよりも、話題になっていることに興味がある。
そして、番組をどのように作っているか、の方に関心がいく。
途中から懸念していたが、最後はやはり時間が足りなくなって、順番が逆になった模様。

ところで、いつの間にか、脳が上位10位の名前をフルネームで覚えてしまっている。
その分、別の芸能人の名前が10人くらい頭の中から消失しているはずだ。

例えば(これはあくまでも「例えば」であり、数字に特に意味はない)、上位20位までに入ったとしたら、本人は少し勘違いしてしまう恐れがある。
別の現場に行って、「私は上位20位に入った」と主張して、一体どのくらいの効果があるのだろう。
そう思うと、順位付けはやはり酷である。

さて、次の話題は「ミス東スポ」かな。

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2012-06-06 Wed.

小判

2012-06-06

小泉今日子が清原和博なら、YOUは元木大介である。

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2012-06-05 Tue.

配慮

2012-06-05

Manami Moritaのブログで、坂本龍一を見に行ったときのことが書いてある。
「1時間、ぶっ通しで、謎の音楽!」とある。

自分のような、はっきりと言える立場は気軽である。

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2012-06-04 Mon.

潜伏

2012-06-04

昨日、僕も杏仁豆腐を食べた。
スプーンは「いりません」と断ったところが違うけど。

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2012-06-03 Sun.

抗争

2012-06-03

「アメトーーク」の華丸大吉芸人を見て、忘れていた感覚を取り戻すことができた。

まず、華丸大吉芸人を切望した視聴者の中で、1週目の放送を楽しめた人はどのくらいいたのだろう。
それというのも、福岡出身である僕は、1週目の放送を感慨深く楽しめたからである。
言葉は悪いが、にわかファンを一喝するような爽快感を、番組から感じられた。

そして、華丸大吉の歴史を振り返っているくだりになり、昔のことを思い出した。

福岡吉本の芸人が福岡の芸能界を席巻している頃、つまり1993年頃であるが、僕は本当に憂鬱だった。
この程度のレベルの芸で熱狂している人たちを見て、憂鬱になったのだ。

僕が覚えている限り、吉本興業が福岡に進出するとなったとき、福岡の芸能界は騒然となった。
都会にいる人には理解されにくいと思うが、福岡にも福岡の芸能界がある。
その当時も、福岡には地元の事務所があり、地元のタレントがいて、地元の放送局で地元の番組が放送されていた。
吉本興業は、地元で成立している芸能界に、いわば殴り込みをかけてきたのである。

そのやり方は、タレント志望である地元の素人を選び出し、一から芸人に仕立て上げる、というものであった。
そして、放送局に営業をかけ、番組枠の獲得を図った。
いくつかの放送局は、メジャー芸能事務所の熱にやられ、いわば籠絡される形で番組枠を提供していった。
その結果、それまで素人だったタレントをメインに据えた番組が次々に放送されるようになった。

地元出身のタレントであるから、当然地元の感覚が前面に出てくる。
その身近な感じが視聴者と呼応し、福岡吉本の熱狂的なブームが訪れた。
福岡吉本のタレントを起用した、地元局製作の番組が次々に増えていった。

その代わりに、東京で放送されていた番組が福岡でネットされないようになった。

地元の番組に熱中する気持ちはわかる。
僕も何度か経験がある。
しかし、たとえ熱中していても、その気持ちは、一般的に番組を楽しむこととは一線を画している。
地元に対する親近感が加算されているからこそ、楽しめるところがある、という認識が、頭のどこかにある。
他の地域で放送されている番組を見ずに、地元で作られている番組こそが、有無を言わさず一番おもしろい、と言いのけるほどの不遜さは持てない。

僕は、福岡吉本の芸人を熱心に見ている周囲を見て、「こういう感覚の人たちと話を合わせながら、一生を過ごすことができるのだろうか」と本気で考え込んだ。
そして、「おそらく無理だ」という結論に達した。

吉本興業の福岡進出が、僕の上京を決断させた、と言っても、あながち大げさな表現ではない。

僕が福岡を脱した後、ブームの終焉は訪れた。
「アメトーーク」でも語られていたとおり、1998年頃に福岡で「吉本超合金」が放送されるようになり、福岡の視聴者は本物の笑いに目を覚ますことになった。

僕は、福岡でブームになっていた頃の感覚があったので、「オンエアバトル」で華丸大吉が出ても、多少引いた感じで見ていた。
博多華丸が「R-1ぐらんぷり」を取ったときも、正直に言うと、心の底から喜べるものではなかった。
それ以降、華丸大吉の認知度が上がり、「アメトーーク」の出演機会も増え、「もしかしたら、おもしろいのかな」くらいには思うようになった。

そして、今回の華丸大吉芸人を見て、認識を確かなものにすることができた。
華丸大吉の漫才には、すでにベテランの巧みさを感じる。
安定感があるということで、僕は十分楽しむことができる。
しかし、残念ながら、華丸大吉のおもしろさに、僕は気づくことができていない。

世間が華丸大吉を「おもしろい」と思っているのは、おそらく芸についてではなく、その立ち位置についてだと思う。
長年苦汁を飲まされ、辛酸をなめさせられ、そして「沖縄国際映画祭で、吉本興業が招待した企業の方々を接待する宴会の司会」というような大変な仕事をさせられていることに、視聴者はおもしろさを感じているのだろう。

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2012-06-02 Sat.

貪冒

2012-06-02

PANTONE携帯までもスマートフォンになってしまった。

スマートフォンに対する私感は、長ったらしい文章でまとめているのだが、公開する機会がない。
いずれにせよ、選択肢が本当になくなっている。

iPod nano第5世代くらいの大きさで、電話とメールだけができるフィーチャーフォンが欲しい。
技術的にはできそうなものだけど、需要がないのだろう。

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2012-06-01 Fri.

不揺

2012-06-01

東京に来て驚いたことは、人々が地震に驚かないことだ。

地震が発生すると、僕はどんなわずかな揺れであっても、本気で死を覚悟する。
東京に住むようになった時から今に至るまで、ずっとそうだ。

それというのも、地震の揺れに慣れていないからである。

故郷で地震をこの身で感知したのは、1991年10月28日に発生した地震のただ1度だけだ。
学校で授業を受けているときに、周防灘沖を震源とする地震が発生した。
その時は、控えめに言って、校舎内がパニックに陥った。
関東に在住経験のある人だけが冷静で、その冷静さが不審がられた。
田舎の人間特有の、異質な多数派が正統である少数派を迫害する、あの感じだ。

これからもずっと、地震に慣れることもないだろう。
いや、慣れない方がいいに決まっている。

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