無量
前日の読みはすっかり外れてしまい、「歌っている最中に、谷村新司が、座っている加山雄三の後ろに回って、加山雄三の胸元に手を差し入れるに違いない」という予想も外れてしまった。
前日の読みはすっかり外れてしまい、「歌っている最中に、谷村新司が、座っている加山雄三の後ろに回って、加山雄三の胸元に手を差し入れるに違いない」という予想も外れてしまった。
今年の「24時間テレビ 愛は地球を救う」はきっと、ザ・ワイルドワンズを引き連れて加山雄三がショーをしているところに、昔からの親友である本物の加山雄三が後ろから出てきて、でも加山雄三は気付かず、歌い終わった後に加山雄三が加山雄三本人に気付いてびっくりする、という30年前のお返しをして、加山雄三のラストを飾るんだろうな。
無印良品の店舗で、棚から服を、別の棚からこじゃれた文房具を手にして、レジに持って行った。
店員が何も操作していないのにレジスターに金額が出ているのを見て、「前の人の分がクリアされていませんよ」と声をかけた。
すると店員は、「失礼しました。他の商品は違いますが、衣料品はICタグで自動的に登録されます。念のため、改めて手で打ち直します」と言い、親切にもレジをやり直してくれた。
ああ、これが、「技術の進歩についていけない」ということなのだ、と気づく。
ずいぶんと昔、祖母と一緒に井筒屋に行った際、化粧室から出てきた祖母が「たまげたね。何もせんでも、洗面台から水やら石鹸やらが勝手に出てきたばい」と発言し、子供の僕は大いに笑った。
そういったことが、今の僕にも起こるようになった。
祖母にもっと優しくするべきだった。
気付いた時には遠くに来てしまっている。
そして、これからはもう、優しさを乞うしかない立場の人間になってしまったのだ。
先日、がれきの撤去作業を見てきたばかりだ。
再びの火災の報に、気分が落ち込む。
小倉昭和館の建物が焼損した。
看板が燃え残る映像は、見るのに心が痛い。
九国大付の試合でも、ふるさと紹介で旦過市場が取り上げられ、続報を聞くことになったのも苦しい。
ほどよい疲れと酩酊。
朝食は、さけの塩焼き。
明太子と桃屋のいかの塩辛で、飯が進む。
残された時間でPCのセットアップを終わらせる。
ノートブックは無事、おいの手に渡り、初めておじらしいことをした、と悦。
家族が集まったものの、出発の時間まで、それぞれ単独の行動を取る。
この人たちには、本当感慨というものがないのだろうか。
妹に車を出させることを思いついて、街まで送ってもらうことにした。
北九州平和のまちミュージアムが、すでに開館しているのを知る。
道すがらに、ようやくがれきの処理にめどがついたらしい旦過市場を眺めた。
早めの昼食は、うどん。
丸天うどんにしそおにぎり。
川のほうまで行って、小倉城を眺めて、辛子明太子を購入。
魚町銀天街は人通りが多く、少し安心。
エアポートバスに乗る。
車内のすべてのカーテンが閉まっていて、観光という観点から「これでいいのか」と悩む。
カーテンの隙間から車窓を眺め、ガスタンクの球体に別れを告げる。
空港に続く道路の高架橋ができていた。
北九州空港に到着。
メーテルの立像がお出迎え。
空港で十分に土産を購入。
今回は保安区域内の平塚明太子も開いていた。
帰りはやっぱり、スターフライヤー。
「World Fukuoka News」で笑う。
キャスターの「下関を見ると香港を思い出す」というコメントが、今回の旅で最も印象に残る言葉であった。
先端を走っていたスターフライヤーだが、この数年で他の航空会社に追いつかれ、抜かれていったようにも感じる。
機内で無線LANが使えないのは痛手で、「サマータイムブルース」を聞き終えると、暇を持て余した。
航空機は、新宿上空を進む。
下からは頻繁に見上げていたが、この空路を通るのは初めてで、堪能した。
C滑走路に着陸。
バスに間に合うかどうかというところで、例の「最も端の搭乗口」から急ぐ。
券売機では当該バスの乗車券を売っていないものの、時間があるので、乗り場に直行してみる。
バスはちょうど来たところで、事情を話すとハンディターミナルで発券できるとのこと、決済はもちろんSuicaである。
いつもは、Suica2枚の残高を使い切ってしまうところだが、今回の旅は、PayPayの普及もあり残高が少し残った。