入乱
旅は、五反田駅から。
階段をのぼり、池上線の乗り換え改札を通過する。
この春、東急は運賃を約13%値上げするとのことで、ポスターが掲示されている。
JR東日本ではオフピーク定期券の掲示が多く、運賃値上げについては取り立てて触れておらず、温度差を感じる。
「T.K.K.」と側面に書かれた緑の電車を横目に、列車は出発。
池上線は、実に7年ぶりだろうか。
いつの間にか大崎広小路駅に着き、いつの間にか切通しを進んでいる。
旗の台駅に到着し、大井町線に乗り換え。
次に来る列車は5両編成の普通。
時刻表を眺めていると、大井町線には「Qシート」なる設備がある列車が長津田まで走っている模様。
城南、城西にはなじみがなく、東急の路線網や大岡山駅のような設備を見ると、感心し恐れおののく。
こんな牧歌的な車窓を有する大井町線に、座席指定列車を走らせるとは、余裕というか、過酷な通勤というか。
自由が丘駅に到着。
四半世紀で1度も降りたことがなく、今日も改札を出ることなく、東横線。
バラエティに富んだ車両、というのは好事家を喜ばせるのかもしれないが、規格性を好む者としては、落ち着かなくて仕方ない。
初めてではないはずなのに、目黒線との複々線には通るたびにため息が出る。
日吉駅に到着。
タイミングがよくないようで、次は10分後の新横浜行き。
乗り場の先の方を見に行ったり、改札階に上がったりして、やりすごす。
どこから来たのか、東急車両に乗る。
どこを走っているのかもよくわからず、新綱島に停車した後、新横浜駅。
どこに出るのかもよくわからず、階段を上り続けたらバス乗り場に出たようだ。
相変わらず、横浜は圧倒される感じがする。
12年前、ドトールと並ぶマクドナルドの2階で遭遇した。
鶴見川の向こうには、マンションが見える。
品川までなら新幹線通勤もいいのではないか、ともよく思うが、FREX定期券の値段を調べるたびにその気が失せる。
向かいから歩いてくる集団の騒ぎから推察するに、サヨナラ勝ちしたようだ。
ラーメン博物館は入り口から行列ができていて、珍しく並んでみる気になったものの、モニタに「現在、店は45分待ち」とあり、退散。
新横浜駅に戻り、団体待合室があった場所に行く。
12年前はここで夜を明かしたわけだが、あれから間もなく待合室は閉鎖されてしまった。
新幹線の高架下を進む。
ここにあったケンタッキー・フライド・チキンで、身動きの取れなかった12年前の僕は時間をつぶしたのだが、こちらも閉店してしまった。
この日の昼食は、つけ麺とした。
近頃、素朴な店で食事をとる胆力が失せている。
「落ち着いた焼き鳥屋で昼食を」と常々思案してきたのだが、キュービックプラザのレストランフロアにそれがかなえられそうな店を発見。
エレベーターで階を上がる。
店前を確認すると、昼の営業はランチメニューのようで、残念。
梅蘭にも行列ができていて、下で済ませたのが正解だったようだ。
下って、上って、下って、下って、新横浜駅から出発。
羽沢横浜国大駅に到着。
「これから来ることがあるのだろうか」と2019年11月に思ったが、案の定それ以来の来訪となる。
下車することなく、出発。
西谷駅で少し待った後、列車は西へと進む。
TOQビジョンは相鉄線内でも放映していて、消防団がどうとか言っている。
そういえば、僕の誕生日はアンラッキー後藤のそれとすごく近い。
大和駅で下車。
地下ホームから改札を出て驚いたのは、プロムナード。
相鉄線の跡を遊歩道として整備したと推察できるが、立派なことを考えた人もいたものだ、と感心。
ただ、「大和なでしこ広場」については、コメントを留保する。
相鉄線改札を入り、乗り換え改札を通過し、小田急江ノ島線の高架ホームへたどり着く。
急がないので、各駅停車。
中央林間駅に到着し、北口改札を出る。
穏やかで味がある街並みである一方、東急側の出口は印象が異なる。
洗練されているというか、都会というか、東急ストアというか。
田園都市線に少し乗り、南町田…南町田グランベリーパーク駅で下車。
あれは保土ヶ谷バイパスでしょうか。
まあ、人が多い。
よそに行かなくても、ここで事足りるのだろう。
久しぶりに田園都市線で、東名高速を眺めつつ、帰宅。
今後のイベントを確認すると、いずれ宇都宮とかひたちなかとか行かなければならない日がやってくる。
そのあとは、瀬谷に行ったり、もしかして橋本までとかに行ったりすることになるのだろうか。
未来を思うと気が滅入る。
そういえば、今日のどこかのタイミングで、渋谷駅の山手線ホームに行ったのだった。
もう過去のたたずまいは忘れてしまっているし、相変わらずの出たとこ勝負。