曇天の続き

Diary > 2025 > 05 > 06 | Prev < Calendar > Next | RSS 1.0
2025-05-06 Tue.

個蝶

2025-05-06

春の大型連休が終わる。

休みを振り返ってみよう。

26日土曜。
もうずいぶん昔のような気がする。

確か、まず新宿駅に行った。
8時ぐらいだったと思うが、人は多いし、キャリーケースを抱えて階段を移動する人たちを見ると、この京王線への乗り換えは何とかならないものかなと思う。
で、京王線の乗り場に行き、急行に乗った。
大学の運動部のジャージを着たガタイのいい人が、自分の座席の左側に座る。
ゴスロリの格好をしたガタイのいい人が、自分の座席の右側に座る。
ここで性別とか特性とか記すのが難しいのが、2025年である。
新宿を出発し、ロングシートの向かいの人が笹塚で降りたので、立っていたゴスロリの連れの方に席を譲るべく、向かいの席に異動した。
笹塚で降りた人の数にちょっとショックだったし、大学の運動部ジャージは次の停車駅で降りた。

このサイトではもうネタ化している、京王線連続立体の進捗。
僕の人生、もう残り少ないのだが、京王線の高架化の完成を見届けることはできないだろう、という冗談が、この感じだと冗談でなくなる気がしてならない。
今回も車窓から軽く見た感じ、土地の収得もまだまだ残っているようである、ガタイのいいゴスロリ2人組で窓の外がよく見えないのだが。
サイトのFAQには、「この事業が終わるのはいつですか?」という項目があり、まるで子供の無邪気な質問のようにすら思えてくる。
電車を降りたら、「Keio高架化Information」を手に入れなければ。

で、仙川、つつじが丘と経て、調布駅に到着。
ここから、京王相模原線へと入る。
おそらく、調布駅が地下化してから初めてで、平面交差の解消に歓喜する。
京王多摩川駅を通過し、多摩川を渡る。
気を引き締めたところで、京王稲田堤駅。
昔、この駅付近のスーパーマーケットにアルバイトに行った。
川を超えると進行方向左手から山が迫ってきて、やがて右側からも山が迫ってくる。
この先にニュータウンが存在するとはとても思えないし、ここでは書けない思いがしてくる。
多摩センター駅で、ゴスロリ2人組が降りる。
サンリオのキャラクターが駅名標などに描かれ、「何か理由があるのかしら」とそしらぬふりをする。
以前多摩都市モノレールに乗って多摩センターを訪れたのは、もう8年前になる。
モノレールの軌道は京王と小田急の線路を越えた先で駅を構え、次なる野望を秘めている。
調布で区間急行に乗り換え、のんびり各駅停車で行ってもよかった。

南大沢を過ぎ、線路は高さを稼ぐ。
席を立ち、扉の窓から見おろすと、大きな穴が良く見える。
事前の確認が足りず、「さがみはらリニアひろば」が今日は開いていないことが京王線の車内でわかったので、ここでしっかりと見ておく必要がある。
京王相模原線はJRの線路を越え、野望があるのかついえたのかよくわからないまま、橋本駅に到着。

JR側の駅前を少し歩く。
地図を見ると、少し歩いたところにある境川がまさに都県境のようで、いつの間にか神奈川県にまで下ってきたことを思い知る。
「市街地の川が県境なんて、まるで豊前と筑前とを分ける境川みたいやね」と興味を持つ寸前まで行ったが、考えるのも面倒になって見に行くのをやめた。

橋本駅前に来たのは、たぶん25年ぶりであろう。
前回は、これまたアルバイトで相模原市内を回り、山がちの場所で頭がぼーっとしてきて、駅前の公衆電話からアルバイト先に電話して、翌日のシフトをキャンセルした。
あのころはまだ、人との信頼が大事なものであることがよくわかっていたので、アルバイトをドタキャンするのは気が引けたのだが、翌朝になってキャンセルするよりはましだと思い、無理をきいていただいた。
帰宅して熱を測ると、しっかり高熱が出ていた。
相模原市の記憶はそれくらいしかなく、橋本駅前にイオンがあることも、映画館があることも知らなかった。
よっぽど気が向いたら、相模原市立博物館にも足を運んでみたい。

ドトールを見つけたので、入る。
古くからあるようなたたずまいなのだが、コーヒーのメニューにSサイズがない。
別にかまいませんけど、というていを装い、レギュラーサイズを頼む。
無線LANを拾おうとするが、docomoのwi-fiが取れずに、近くにあるのだろうワーキングブースの弱いwi-fiを拾ってしまう。
これだと不十分なので、泣きながらwi-fiを切り、画質を低品質にして、TVerで「美味しんぼ」を見る。
毎週数本の「美味しんぼ」がTVerで無料視聴でき、最近は進んでみるようにしている。
以前の僕なら「何でもメシの話で片付けやがって」という感想で処理していたのだが、この年齢になったからか、今は「美味しんぼ」を見ると号泣である。
先日は、店でアップルパイを注文しては味を酷評しまくる男の回を見たが、それはそれはいたたまれない気持ちになった。

「美味しんぼ」を2本見て、連休中の予定を書き出していると、もうすぐ11時。
店を出て、京王ストアを徘徊する。
冷房が効いていて、寒い。
そして、先ほど見つけた「ぎょうざの満洲」に向かう。
確か2019年、時間がなくて伊勢崎駅前の「ぎょうざの満洲」入店を断念して以来、機会を見計らってきたが、ようやくチャンスが巡ってきた。
開店と同時に入店する。
オーダーは、QRコードを読み取り、スマートフォンで行うとのこと。
そういえば先日、天下一品でオーダーのQRコードを読み取ると、bitlyの短縮URLが英語のウェブサイトに遷移し、慌てたことがあった。
よく読めば10秒後にメニューサイトに遷移することが英語で書いてあったのだが、てっきり怪しいサイトに誘導されたものだと勘違いしたのだ。
この手のオーダーシステムは慎重になりたいものだが、もうそういうことも言えない時代なので、やむを得ない。
餃子、メンマ、瓶飲料などをオーダーする。
にしても、客が持っているスマートフォンから注文を取るなんて、すごい時代だなと思う。
以前、東京ガールズコレクションで、モデルが紹介するアイテムを観客がスマホを使ってその場で購入する様を見て、カスタマーがすでに端末を持っているという新しい時代になったのだな、と思ったものだ。
今となっては、「東京ガールズコレクション 北九州」である。
そのうち、「上野精養軒 天籟寺」とか、できるかもしれない。
それにしても、店内ポスターにある「老神温泉 東明館」のことは、全く知らなかった。

「ぎょうざの満洲」の実力がよくわかったところで、京王側の駅前を歩く。
大穴を見に来たわけだが、高い塀に阻まれ、様子はわからない。
塀の周りを半周し、少し進むと、国道16号線に出る。
16号線を見ると、さすがに遠出したなという気分になり、無事に帰れるか不安に感じる。
道沿いに進み、橋本五差路の地下道をうまく渡り、細い道に入る。
工業地帯あり、スナックあり、ホルモン屋あり。
なんとなく住宅地めいてきて、南橋本駅に到着。
1駅歩く、ということができるのも、ずっと前に相模線に完乗しておいたおかげ。
そういえば、「Keio高架化Information」を探すのを忘れていた。

きれいな感じの駅舎で、プラットフォームの幅も狭いのだが、南橋本駅は昔からある駅で、2006年に今の駅舎ができたようである。
相模線なので、事前に列車の時刻を調べておいた。
少し待つと上り列車が到着。
例のごとく開閉ボタンに戸惑い、ロングシートに席を確保する。

上溝駅は、高架となっていて、相模川方面の見通しがいい、が1面1線である。
結構乗ってくるところを見ると、利用勝手の良い駅なのだろう。
小田急多摩線が延伸してきたら、またすぐにでも来よう。
厚木付近で圏央道が相模川を渡ってくる。
社家駅手前の高速道路構造物を見て、げんなりしてしまう。
京葉線の二俣新町付近の線路を見ても本当に嫌なのに、門沢橋駅の付近もそうだけど、道路はこんなにも大げさになってしまう。
倉見駅はよく聞くけれど、改めて現地を見ると、ここに新幹線新駅を作るのは、もう趣味の世界のようにしか思えない。
まあ、駅ができると、いろいろなことが可能になりそうでもある。
圏央道の向こう側の道路に「その他の危険」標識を見つけて、驚く。
幻かと思ったけれど、ストリートビューでも確認できた。

ようやく茅ケ崎駅に到着。
時間がないところ、トイレを済ませて、東海道線に乗る。
相模線もそうだったけど、東海道線もそこそこの混雑率で、大船でようやく座れた。
そういえば、彼はもう、湘南地域に戻っているのだろうか、戻る場所があるのだろうか。

27日日曜。
この日は、ほぼ在宅。
近所の商業施設で、取り寄せした靴を受け取った。
「美味しんぼ」を6本見た。
映画「第三の男」を初めて見た。
「第三の男」が思っていた以上に悪すぎて、あきれた。
あきれたからこそ、恋人の思いというものが際立つのであろう。

29日火曜。
土曜と同じような時間に出て、新宿駅に到着。
東口を出ると、アルタの解体工事に着手されていることを知る。
近年まれに見る乗り換えを果たすべく、西武新宿駅に到着。
次の列車は特急小江戸号であったので、現金で特急券を購入。
小江戸号はもうすぐなくなることを、後で知った。

車内は数人の乗客。
プラットフォームに立つ上り方面に向かう客が、視界の後ろに飛んでいく。
新井薬師前駅の前で徐行し、車窓に向かって敬礼。
行けども行けども、住宅地。
特に感慨もなく、東村山駅に到着。

東村山駅周辺は高架化が進められており、駅上空を構造物が覆っていた。
駅地下道を抜け、東口に行く。
志村けんの銅像を撮影。
駅周辺にはドトールはないものの、コメダ珈琲店を発見し、入店。
モーニングで、トーストとゆで卵をいただく。
10時前だが、席はほぼ埋まっていて、自宅の近くに店があるのをうらやましく思う。
藤沢秀行の妻、藤沢モトによる「勝負師の妻」を読む。
昔の人は、子供のころから家の手伝いなどで働いていて、教育を受けることは難しかったのだな、と今さらながら知る。
もう亡くなってしまったが、自分は祖父母に、とりわけ、古い慣習を重んじる祖母に冷たい態度をとっていたような気がしてならない。
かわいがってくれたことは今振り返ればよくわかるのだが、自分はそれに対して十分に返すことはしなかった。
情けないことだ。

駅に戻り、地下道を抜け、西口から線路に沿って北上。
10分ほど歩き、東村山ふるさと歴史館に到着。
多摩丘陵を控える場所にある東村山の地形の成り立ちから、国府を結んだ道について、および鉄道敷設後の発展について学ぶ。
それからまた歩いて、正福寺。
ここの地蔵堂は、東京唯一の国宝木造建築物である。
奥の本堂からは、打楽器らしい音が聞こえてくる。
貼ってあるポスターを見ると、こちらの住職がティンパニを演奏するそう。
次のコンサートでは元タカラジェンヌの出演もあるそうで、ここでは言えない感想を持つ。

ここからしばらく歩く。
Googleマップのおかげで…、いやいつもNAVIのおかげで、目的地を定めれば経路を示してくれる。
ありがとう、ゼンリン。
道すがら、駅前のイトーヨーカドーの看板が、どこからでもよく見える。

八坂駅まで歩いてきた。
歴史館で知った、「九道の辻」というものを見に来たのだ。
この付近の西武線の絡み具合は、街道が集まる「九道の辻」に由来するものだったのだ…、というわけではないとは思うが、それでも因縁を感じずにはいられない。
そして、拝島線の高架具合と、急カーブを観察し、少し歩いて昼食。
調べればすぐわかるのだが、とある「とんこつラーメン店」である。
この店に来るのは、これまた25年ぶりだと思う。
その時は確か小川駅の東側に店があったはずだ。
移転して初めて来たが、移転したはずなのに店の中は年季が入っている。
思うに、これくらいの乱雑さは20世紀では当然だったように思うが、今の僕はずいぶんと甘やかされている。
店に入り、1人であることを伝え、店主が指示する椅子に着席。
背筋をただし、大きな声でラーメンを注文する。
ラーメンは期待通りの味で、涙ぐむ。
交わされる会話からして、店主も、客も九州にゆかりのある人ばかりのようだ。

店を出て、少し歩くと、団子屋があった。
よく覚えていないが、25年以上前も駅の近くに団子屋があったはずだ。
店先に並ぶ団子は1本60円~90円。
自分の家の近くの和菓子屋は、資本がチェーン展開している店で、高いし口に合わず、めったに買わない。
ああ、こんな団子屋が近所にあればいいのに。
最近、作りたての梅ヶ枝餅を日常的に食べるにはどうしたらいいか、真剣に悩んでいる。

値段の割にはずっしりと重い団子が入った袋を下げ、小川駅に向かう。
東京最古の現存私鉄駅の1つである小川駅は駅前再開発がすすめられ、小平市の施設も入る予定のタワーマンションが建設中である。
でも、駅舎は25年前のままのようだ。
国分寺線に乗り東村山、新宿線に乗り換え所沢へ到着。
次の列車は特急で、ラビューに乗るチャンスでもあったが、今日は小江戸号にも乗ったことであり、見送ることにする。
駅舎の展望テラスで時間調節し、次に来たFライナーに乗る。
池袋まで30分かからないようだ。
秋津までのJR連絡線を見守り、通過駅を過ぎるたびに所要時間が更新される掲示に感激する。
このまま乗り続けると西武有楽町線に入ってしまうことに気付き、吝嗇な僕は練馬駅で乗り換える。
「優秀な池袋線、時間の止まった新宿線」との思いを抱え、朝はくぐった山手線を越えて、池袋駅に到着。
自宅に戻って、「美味しんぼ」を1本視聴。

3日土曜。
借りてきたDVDで「女子ーズ」を見る。
なぜこんな映画作るかね、と思う。
思い出作りだろうか。
そのあと散髪に行って、「美味しんぼ」を見て、終わり。

4日日曜。
朝、近所のミスタードーナツで食事。
都心の朝をミスタードーナツで迎えるのが、数少ない楽しみの1つ。
そのあと、電車に乗り、新浦安駅で下車。
液状化に気を付けつつ、浦安のテーマパークに行く。
建物を見て、遊具に乗ったり、船に乗ったり、アトラクションを楽しんだりした。
物付きを自覚しているものの、さすがに「刺網漁」への興味はうすかった。
そのあと、近くの和食レストランで、飲食。
さらに歩いて、焼きハマグリと焼きアサリを求める。
浦安橋を渡って都県境を越え、妙見島を観察。
葛西駅まで歩いて、東西線で帰る。
南砂町駅の様子も観察。

5日月曜。
クリーニング店に行き、冬物を出す。
スーパーで、ホタルイカの釜揚げ、天ぷら盛り合わせ、500ml缶を2本買う。
自宅に戻り、昨日の焼きハマグリとともに缶を開ける。
借りてきたDVDで「高田純次 無責任社員物語 適当編」を見る。
アメリカにコンピュータを売る話だが、通商貿易省が高い関税を課そうとしているので、接待で懐柔を図る、などという、時代設定は現在なのではないか、と錯覚する内容。
プロフェッショナルのセールスはこれくらいのことをしてほしい、とエンジニアとしては思う。
その後、映画「櫻の園」を視聴。
当然、2008年版ではない。
あまりに美しい描写に、感涙して眠る。
そもそも「桜の園」とはどういう話なのだろうか、これからチェーホフを読むことがあるのだろうか。

6日火曜。
特に何もしない。

Link
Diary > 2025 > 05 > 06 | Prev < Calendar > Next | RSS 1.0