曇天の続き

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2024-08-25 Sun.

越境

2024-08-25

今月初め、東京株式市場の株価指数が大きく下がった。
平均株価は、史上最悪の下げ幅を記録し、3週間で25%下がったとのこと。

株価が大暴落するたび、信用取引への興味が芽生える。
今回、時間をかけて調べてみた。

まず、自分の投資原則について、改めて確認しておこう。

  • よくわかっていない仕組みの商品には手を出さない。
  • 余分な時間、余分な金を費やさない。
  • 借金をして(特に、金利を払って)投資をしない。

ついでに、バフェット・ルールも思い出そう。

ルール1. 絶対に損をしないこと。
ルール2. ルール1を絶対に忘れないこと。

気になるのは、現状の僕は運用効率を十分に引き出しているのか、ということだ。

300K円の保証金で1M円まで建玉ができる。
貸方の金利は、だいたい3.5%である。
つまり、300K円差し出せば、1M円を3.5%で借りられる。
でも、もともと300K円は持っていたわけで、なんだか自分の持っている金に利息を払っているようで、どうも癪に障る。
いや、そもそも300K円持っているか?

すでに株を持っていたら、評価額の0.8掛けにはなるが、その株を担保として差し出すことができる。
だから、僕はもう保証金を拠出している、とも言えるわけで、新たな保証金を用立てることはない。

ただ、今の感覚だと、これも受け入れがたい。
僕にとって「株を買う」とは、「資金を市場に還流する」ということで、もう手元にない、という認識でいる。
たとえ保有しているとはいえ、手放したと考える以上、それを担保にするのは、どうも気持ち悪い。
その資産はもう活用されているわけで、住んでいることで価値を産んでいる自宅を担保に差し出すのも、どうかと思うくらいだ。
もちろん、別の考え方もあるだろう。

信用買いをするのは、株を保有することに意味がある場合だと思う。
保有シェアを高め、何らかの実力を行使するには、信用買いは有効であろう。

あるいは、利幅が小さい時でもより大きな利益を得たい時だ。
例えば、手元に10K円あるとしよう。
ある株があって、短期間で1%上昇すると見込んだとする。
現物だと買えるのは10K円分だけで、利益は0.1K円である。
ところで、株を評価額1M円持っていたとする。
信用買いだと、控えめに評価額の2倍ほど、2M円の買い玉を建てれば、利益は20K円-(利息+手数料)が見込める。
もっとも、上がるということは下がるということでもあるので、買い玉を建てたばかりに、下落した場合は決済時に株を売ることにもなる。

一方で、信用売りもある。
こちらも何回かやった記憶があるが、売り玉を建て株価の下落を願うのは、人の失敗を望んでいるようで、これも気分が悪い。
もっとも、株価が下がる確信があるのなら、その行動を選ぶのは適切だと考える。
あるいは、保有株数を維持したままリスクヘッジしたい場合の選択肢にもなりうるのだろう。
そしてこちらも、短期間で小規模な下落が見込める際に、収益を大きくすることができる。

以上が、みずほ証券による信用取引のウェブを見た感想である。
きっとみんな、市場を出し抜けるのだろう。
僕は、もし余剰資金があるとしたら、個人向け国債・固定3年でも考えておこう。

さて、僕の投資のベンチマークで、今回の大暴落を振り返ってみよう。

7月16日に年初来高値を記録してから、8月5日までに約9%下落した。
「そんなもんか」と思うが、これはドル建てである。
ほぼ同期間で、ドル円は161円から144円まで約11%下がった。
かけ合わせると、およそ19%の下落、というところか。

ドル円はそのままだが、ベンチマークはその後回復し、週末時点では、7月16日を超え、実は今年の最高値となっている。
これは、年初から14%の上昇である。

僕はこれまでに1度、市場から退場させられた。
その後、穴を埋め、少々の余剰を手にし、市場に戻った際、以下のルールを追加した。

  • 退場に追い込まれない。

評価価値が下落しても、退場させられなければ、もしかしたら乗り切れるかもしれない。
僕は、リスクを持ち時間でヘッジしているのだから、嵐をじっと耐えていればいい。
でも、退場を余儀なくすれば、手元には何もなくなり、可能性も失う。
借金をするのは、やはり金が手元にない場合である。

以上を踏まえて、三崎優太氏について見てみよう。
なお、YouTubeなどは見ておらず、あくまでメディアで取り上げられた情報の一部だけで判断している。
一次情報に当たらない「メディア観察型」、西スポのエンタメQより怠惰な方式である。

率直に言って、「正直な人だな」と思う。
もちろん状況の全てを公開していないだろうし、公開していることが全部真実というわけでもないだろう。
それでも、「保有している会社の資金を信用取引のマイナスに充てた」というコメントは、なかなかのものだと思う。
どの会社かわからないけれど、少なくとも三崎氏が保有している会社の信用は大きく下がる。
取引先がどうするのか、従業員がどうするのか、を考えると、こういうコメントは普通はできない。
僕は、それこそ余力がないので、三崎氏に迷惑をかけないためにも、できるだけ関わらないでおこう。
この後、会社を破産させる、という選択肢もあるのかもしれない。
個人の破産を回避するために、会社を破産させた、ように見えるかもしれないので、その手は封じられるのかもしれないが。
会社の資金によって買い玉が維持できたであれば、現時点では結構戻っているだろう。
内実は、それほど悲惨な状況でもないのかもしれない。

賢者は、レバレッジを効かせることだろう。
結局、僕は臆病で、愚かなので、信用取引をすることはできない。
すべてにおいて僕は、競争ではなく、安寧を求めている。
よくここまで生き延びたものだ。

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