出身
2004-11-03
近頃,出身が福岡だというと,驚かれるようになった.
未だ「九州人」のステレオタイプが根強く残っているだけなのかも知れない.
きっと,「ネクラな大阪人」がいることを知らないのだろう.
しかし,驚く他人の反応の続きは「東京出身じゃないの?」である.
つまり,僕は東京出身だと思われているようだ.
確かに,上京して7年ほど過ぎた.
成人してからはずっと東京暮らしだ.
上京当初は,「そげんこつ言わんでもよかっちゃないのー」と愛嬌を振りまいていたものの,東京人の話し方や東京の地理を習得した結果,東京出身に間違われるようになったのだろうか?
色のない人間になろうとしている僕にとっては,うれしいことではある.
が,「山手通り」とか「歌舞伎町」とかいう「簡単な地理」をすぐ口に出したがるアーティストと一緒にして欲しくはない.
「普段は共通語を話していても,地元に帰ると方言に戻る」という人がよくいるが,実はそれもなくなってきている.
つまり,実家に戻っても,僕は方言ではしゃべらない.
知り合いに「九州弁でしゃべってみて」というリクエストをされても,忘れてしまっているので話せない.
代わりに「母に捧げるバラード」を歌ってあげるが,知り合いにはがっかりされる.
今のところ,自分のルーツが福岡にあることを強く感じて生きているが,数年経つとそれもなくなってしまうのだろうか.
鳥越俊太郎とか甲斐よしひろとか陣内孝則とか,福岡くさい人たちをもっと見習うべきなのかも知れない.