晴国
快適な目覚め。
開場時刻を待って、大浴場へ。
これこそ、旅の醍醐味である。
朝食のブッフェは、和食を中心に選んだ。
たこめしを口にすると、不平不満は霧散する。
ビアガーテンの宴の跡を散策。
趣のある建物に心が洗われる。
感謝を込めて、土産を買い進める。
チェックアウトし、倉敷川沿いを散策。
昨夜は暗くてよくわからなかったが、柳並木の道に心が落ち着く。
川船に乗り、船上から街並みを眺める。
立派な石橋は一枚板のものもあり、往時が偲ばれる。
ここで、パフェ。
思い出作りとはいえ、身の丈に合わない出費であった。
自身の修行が足りない。
饅頭屋を冷やかし、雑貨店でマスキングテープとクリアファイルを購入。
倉敷の鳥観図が描かれたクリアファイルだ。
歴史を解説する看板を読み込み、北前船で運ばれてきたニシンを肥料して綿花を育てた、的なつじつまの合った知識を仕入れる。
倉敷駅まで続くアーケードを歩き、倉敷駅。
駅ビルは改装されていたが、駅前の建物の雰囲気が、なんというか、昭和を思わせる。
水島臨海鉄道の駅舎を覗いてみたが、列車は見えなかった。
山陽本線の普通列車に乗る。
クロスシートで快適。
岡山駅に到着。
地下道を通って、路面電車乗り場に。
路面電車のある街はうらやましいが、道幅を見ると、やはり北九州においては「残す」という選択肢はなかったな、と改めて思う。
電車に10分ほど乗り、10分ほど歩く。
岡山城は改装中で閉まっていて、後楽園へ向かい小さな入り口から入園する。
足を踏み入れ、広大な敷地に気後れして引き返し、入り口で案内図をもらい、ここに何をしに来たのかを再確認する。
30分くらい歩き回ったが、何を見ていいのかよくわからず、ベンチに座り込む。
不勉強極まりない。
バス乗り場まで歩いて、駅まで行くバスに乗る。
バスは駅にまっすぐ進まず、途中天満屋バスターミナルに寄る。
後で知ったのだが、これが岡山方式であり、そういえば児島でも同じようなことがあった。
予定より1時間早い新幹線のチケットを購入し、桃の購入はやはり断念して、きびだんご、菓子、鶏のもも焼き、地ビールの独歩を買い込む。
のぞみは西へ。
2年ぶりに、小倉駅。
北口の土産売り場に行くが、様子が変わっている。
きぬ貝の干物をいつも購入する店はまだあるが、きぬ貝が売っていない。
店員に「なんか、変わりました?」と聞くと、「1年前に改装して、全く違う雰囲気になった」とのこと。
率直に言って、僕は前の方がよかった。
観光案内所に立ち寄って、「雲のうえ」の最新号を確認しつつ、観光施設のチラシを物色。
地下のスーパーでふりかけとベビーハムを買って、タクシーに乗る。
街の様子は変わらないが、もう「電車通りを進んで」とも言えないし、交差点の形状が変わってしまい説明に苦慮するし、道を入ってもらう目印の消防署も歩道橋もなくなってしまった。
実家に到着。
きぬ貝がないことを父に謝罪し、代わりにからすみを渡す。
おいめいにはきびだんごを渡し、今後恩義を果たすよう強く言い渡す。
宴は、刺身、ビール、焼酎。
昨夜見た「チコちゃん」でやっていた、親と会う残された時間はほんの少し、という話題で、この日は終わり。