割譲
快適な目覚め。
実家に事前に送り込んでいたデスクトップPCをセットアップ。
少し前にノートブックPCを購入したのだが、画面が小さいとのクレームを受け、昨年はモニタを送り、今度はノートブックのディスプレイが邪魔だといい、デスクトップを買う羽目になった。
ノートブックはおいにスライドすることになった。
パンを食べて、出かける。
定刻通りにバス停に着いたが、バスが来ない。
バスの本数も減っているし、行先のバリエーションも貧相だし、本当不安になる。
魚町でバスを降り、歩く。
この通りは、あまりきれいではなく、においも気になる。
小倉駅に着き、1階の改札口から入場。
この改札口を通ると、エルコクラがあった昔の小倉駅のことを思い出して懐かしい。
あの頃は、パタパタをずっと見ていても飽きなかった。
発車直前の電車に乗る。
相変わらずの車窓である。
門司港駅に到着。
改装の終えた駅舎をしばし探索。
そして、九州鉄道記念館。
実に13年ぶり。
栄町商店街を歩く。
門司港レトロ地区から一歩離れると、静けさが広がる。
生活があっての街なのだが、仕方ない。
門司電気通信レトロ館を訪れる。
昨日の観光案内所で、存在を知った。
建物は日本武道館を設計した山田守の手によるもので、火事の際に放水すると効果的に消火できる作りなっているそうだ。
電話の歴史を知れる充実した展示内容で、特に交換機の展示には興味をそそられた。
歴代の携帯電話も展示されていて、パルディオやらドラえホンやらに感涙した。
昼食は、ラーメン店へ。
「PAO-N」のコーナー「ペペ3」で、「なつかしの門司港グルメ トップ3」として紹介されたラーメン店である。
ここでは詳細を書かないが、衝撃的な店だった。
北九州によくあるのは「緊張感漂う店」であるが、一方でそれとは対極的なたたずまいも北九州では出くわす。
食券機に貼られた「領収書 かきます」の紙は、象徴的である。
僕らは、こういった店を、こういった店のおじちゃんおばちゃんを大事にして生活をしていた。
言うまでもないが、味もびっくりするくらいおいしかった。
街の巨匠、達人のなす業である。
海沿いを散策して、関門海峡ミュージアム。
こちらも13年ぶりだが、以前は名前が違っていた。
海峡を行きかう船を眺めながら、ソファに身を沈め、アイスを口にする。
船を見るのに飽きることはなく、いつまでも見ていられる。
前回は金が惜しくて入らなかったが、今回は入場料を払う。
鉄道記念館もそうであったが、この期間北九州市民は入場料無料だそうだ。
取り戻さなければなるまい。
改めて思うに、重厚な歴史を有する海峡である。
下関もしくは彦島がイギリスに租借されそうになったところを高杉晋作が交渉して阻止しただの、関門海峡には今も機雷が沈められていて、ときおり機雷除去しているだの、息苦しくなるほどの歴史である。
西小倉駅まで戻る。
身近なところで、一番変わったのは西小倉駅かもしれないな、と思う。
実家に帰り、遊びに連れて行かなかったことをおいめいに責められ、夕食はローストビーフ。
おいめいは、昨日買ってきたからすみを、感慨もなく食べ尽くしていた。
集めるだけ集めた町内会費の使途として、信じられない規模で行われる地元の川祭りの話など、ありがたいお話を伺う。