風師
前日から、実家のPCにWindowsUpdateをかけているものの、一向に終わらない。
NHK「サタデートーク」に浜野謙太、平原綾香が出ているのを見ながら、朝食。
バングラデシュのテロ犠牲者の経歴を見て、かなり気落ちする。
ほどなくして、「踊るさんま御殿」の再放送が始まり、今回はアスリートスペシャルで、「きっと小椋久美子の離婚をいじるのだろう」と思いながら、実家を出発。
小倉駅は、開業125周年。
写真のパネル展示がされており、3代目エルコクラBros.の写真が懐かしい。
小倉駅から電車に乗り、門司港を目指す。
貨物ターミナル、関門トンネル、工場、倉庫、そして海峡。
風景に見どころが多く、門司港へ行くにはぜひとも鹿児島本線を利用してほしい。
門司港駅に到着。
駅舎は改修中のため、覆いがかぶされている。
九州鉄道記念館の上の駐車場へ行き、無料の風景を楽しむ。
坂を下り、九州鉄道記念館駅へ。
トロッコ潮風号に乗る。
北九州市内でも未乗の路線がまだあったか、と思う一方で、そういえば筑豊電鉄には1度も乗っていなかった事実に気づく。
第3日曜にはゆるキャラと潮風号が競走する、というくらいの速度でトロッコが走る。
まさか和布刈トンネルを合法的にくぐり抜ける機会が訪れるなど、子供のころは思いもしなかった。
関門海峡めかり駅に到着。
浜焼きバーベキューが楽しめる店が1軒あるものの、特に観光地化されてはいない。
ローカル線の終着駅、という少し寂しい雰囲気である。
もう少し力を入れてもいいのでは、と思うが、「この穏やかな感じがいい」という意見もあるようで、それもそうかなと思う。
地元の人間には気づかない視点である。
近くには、塩水プールがある。
塩水プールは、国内にはそれほどないようで、子供のころに何度も行っていた身としては、驚きである。
1度だけ母親に連れられて、バス専用道を経由するバスで東本町二丁目まで行き、そこから歩いて塩水プールに行ったことがあった。
その時は、関門橋の下にある店でチャンポンを食べたのだが、タマネギが入っていて、ほとんど食べられなかった。
昔、勝山公園にあった電気機関車と客車が、今はめかり駅近くに静態保存されており、中では軽食が楽しめるようになっていた。
そのすきを逃さず、ビールを飲む。
だったら、あのタコの滑り台も勝山公園にあったものか、と思い、調べてみると、昔からあったもののようだ。
記憶にない。
めかりからの帰路は、トロッコではなくバスを選択。
めかり絶景バスはなくなったものの、風景を楽しむならバスの方がいい。
レトロ東本町一丁目、レトロ鎮西橋、レトロ桟橋通と、トロトロになりながら、路線図を確認し、レトロ鎮西橋で下車。
門司電停の記憶がうっすらと残っていたのだが、あれはきっと、母親が塩水プールに連れて行ってくれた時ではなく、父親が和布刈公園に連れて行ってくれた時の記憶であろう。
いずれにせよ、僕は西鉄電車で門司まで来たことはなかった。
冬には風が強すぎて絶対にたどり着けないが、この季節だったら到達可能な門司港地ビール工房で昼食。
ジンギスカンではなく、3階で洋食を楽しむ。
門司港驛ビール、ヴァイツェン、エールと、やっぱり3種類楽しみ、カツレツ、ビザ、焼きカレーを堪能する。
特にビザはおいしく、職人がずり落ちた眼鏡を上げながら広げる生地は絶品である。
跳ね橋を渡り、関門連絡船の乗り場の2階に行き、涼みながら無料の景色を楽しむ。
今日は船の数が少ないように感じる。
秋山の父親の船を黙殺し、海峡プラザにある「じーも」の像を楽しむ。
じーもグッズがいくつかあったので、購入。
駅に戻ると、駅工事を見学できるようデッキが組まれており、見学。
iPadが貸しだされ、工事前の駅舎が見られるようになっていたのだが、僕には無用の長物である。
観光客も多いし、景色が落ち着く気分にさせる。
このようなものが観光資源になるというのが、離れてみてようやくわかる。
小倉駅に着いてからも、地下のスーパーマーケットに行き、土産にベビーハムを5つ購入したのも、そういう理由からである。
ベビーハム流通経路開拓運動を切に希望する。
5番のバスが廃止されたことを知り、北方線の記憶の残滓すら奪われそうな気分になる。