曇天の続き

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2010-12-30 Thu.

小倉一路(往)

2010-12-30

この年末年始は、小倉で過ごすことになった。

まずは、道中で聞く音楽の準備。
昨今起こった諸般の事情、によりiPod shuffleを手放したため、携帯電話のメモリに音楽をラブ注入。
今回初めて気づいたのだが、冬であれ夏であれ、小倉へ行くときに僕は必ずPizzicato Fiveのアルバムを持っていっている。
小倉行きがよほど憂鬱なのだろう。

東京駅は、かなりの混雑。
その人混みをかいくぐって、弁当を購入。
乗り換え口改札が渋滞していて、すんなりと入場できない。

N700系芸人。
乗り込む早々、東京駅に留まっている段階でビール缶を開け、移動時専用のつまみとして認定しているホタテ貝柱の干物をいただく。
新横浜駅を出発するころには座席は満席、デッキは立っている客で自動ドアが閉まらないほど(2か月前から席の確保を準備している人間としては、せめてドアが閉まるようにして欲しい)。
そんな中、弁当を開封。
年末専用の弁当として認定している叙々苑焼肉弁当を2年ぶりに堪能。
立ちこめるにおいに白い目を感じるが、店には決して行けないのだから、見逃してください。

いつのまにか、富士山が過ぎ、ガンダムが(たぶん)過ぎ、浜名湖が過ぎる。
のぞみが停車しないのに風光明媚スポットをいくつも準備する、静岡県の心の広さに感動。
「のぞみ通行税」というのは、車窓用の風景に対する嗜好品課税であるのだな。

ナフコ脇を通過し、関ヶ原クリニック周辺の雪景色を確認し、「安いゲームみたいな、リアルさを感じない風景の移り変わりだな」という感想をもらしたところで、列車はやっぱりまだ京都。
読書に専念することにする。

今年は、小説を片手で足りるほどの冊数しか読んでいない。
年末の帰省までに読もうと決めていた「花と龍」を、車内でようやく読み終える(1年半かかった)。
「花と龍」が描いている地で、我が先祖はいかにして立ち回ったのだろう、と思うと、じいさんにいとおしさすら感じる。
僕には無理なので、故郷に捨てられたのだ。

5時間の乗車を経て、小倉駅に到着。
改札を抜けると「努力が実る」がお出迎え。
結構人が多い。
空は、のしかかってくるのかと思えてくるほどの重苦しい曇天。

駅の北口では、小倉記念病院の建物が3日前に機能し始めた。
早速、救急車が向かっている。
北口のどこだかわからないけれど、いずれはサッカースタジアムを建設するのだとか。
長年続く北口開発への挑戦には、執念すら感じてしまう。
もう文句は言うまい。

駅の観光案内所で冊子「雲のうえ」をいただく。
タクシーに乗り、市街地を通過。
魚町交差点で、それなりに気を遣った設計風の平屋を車内から確認。
今後しばらくは、「これありき」で考えていかなければならない。
せめて、パン屋のパンがおいしければいいのだが、果たしてどうなのだろう。
ところで、高層マンションばっかりだけど、我が一族にはとんと縁がない。
私なんぞに、かまわんでください。

実家につく頃には、雪がちらついていた。
「九州に行くから、厳寒装備の準備をしてきた」というのは、冗談ではありません。

饗宴では、父が30年以上前に行ったイラン出張とシェレメーチエヴォ国際空港で経験した遭難についてのお話をありがたくうかがう。
にしても誰だよ、うまい生酒の一升瓶を一晩でほとんど空けたのは。

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