曇天の続き

Diary > 2010 > 11 > 10 | Prev < Calendar > Next | RSS 1.0
2010-11-10 Wed.

昔日

2010-11-10

北九州市にゆかりのある年長の知人がいて、その人と時々地元の話になることがある。

その人曰く、もう少し発展してもいいのではないかと。
政令指定都市、そして約百万都市とは思えない街並みだ、どこもかしこも寂れてしまっている、というのが、その知人の論である。

僕が知っている現状の取り組みをいろいろお伝えはしているのだが、あまり満足されていないご様子。
昔のことを知っている人だからこそ、今の寂しさを痛感しているのだと思う。

ただ、僕が最近認識し始めたのは、その発展していない昔の街並みこそが今の北九州の売りとなっている、ということだ。

古い建物が残っている場所として門司港のレトロ地区は有名だが、実はそれ以外にもある。
石炭の積出港だった若松、そして製鉄の街としてにぎわっていた八幡などがその例だ。
それらに限らず、ある時期から発展が止まってしまった街並みが、北九州にはかなり残っている。
間違いなく活気があったころの街並みが、幸か不幸か今もそのまま現存しているのだ。

映画のロケ地として北九州が多く利用されているのも、これで理解できる。
街には古い時代の記憶が残されており、そこにはやはりノスタルジーを感じてしまう。
言ってみれば「スクリーン映えする街」であるので、みなさんぜひとも訪れて欲しい。
ただ、「住むにはかなわん」と僕は感じるけど、もちろん今のところ。

その一方で、僕は映画「廃市」を思い出してしまう。
このまま留まってしまうのも、やはりどうしたもんかと。
派手なものはもういらないけど、少しずつ変化を続けていて欲しい、とは思う。

Link
Diary > 2010 > 11 > 10 | Prev < Calendar > Next | RSS 1.0