或る「小倉日誌」(1)
小倉へ行った。
こちらは志を果たすまで決して小倉には帰らないつもりでいるのだが、親戚付き合いがあるのでやむを得ない。
小倉へ行くのは、1年2カ月ぶり。
夏休み最初の週末、早朝の地震、そして元工作員がこの日に帰国する、という理由からだろうか。
ウェブで確認したところ、高速道路の渋滞が甚だしい。
高速バスの出発時刻まで粘ってみたが、渋滞が解消しない。
しかたがないので、今回は鉄道で空港まで向かうことにした。
やっぱり夏休みだからなのだろう、電車内は子供連れでどこも混雑。
しかも、地震の影響でダイヤが乱れている。
目の回るような暑さの車内で立ち尽くし、京急蒲田の先のカーブをこらえる。
大鳥居駅で子供連れがプールを目指して降りるのに気をとられて、国際線ターミナル駅を見損ねた。
空港に着く前に、へとへとに疲れてしまう。
3環状の早期整備を切実に願う。
チェックイン。
北ウイングの端にあるレストランで、早くもビールを嗜む。
今回も、もちろんスターフライヤー。
なぜ商工会議所がJALを応援するのか、僕には理解不能。
通常は1番搭乗口なのだが、今回はバスでの搭乗案内。
実は、1番搭乗口に向かうよりもバスで搭乗する方が歩かなくて済むので、楽だ。
チャーター機はどこに駐機しているのだろうか、と車内から空港内を見回すが、見当たらない。
搭乗。
免許を携帯していることを確認し、たぶんB滑走路へ向かっている途中で寝入る。
そして、ベルト着用ランプが消灯する前に目覚め、ドリンクを2杯せしめる。
「雲のうえ」とは別に、下関市の情報誌「083」も配布されていたので、両方ともいただく。
「083」はオンラインでも入手でき、その点では「雲のうえ」は負けているか。
パーソナルテレビで地図を見るのにもほとほと飽きたので、「ぜんまいざむらい」を視聴。
かなり楽しめるアニメーションであることを知る。
北九州空港に到着。
暴力団排除条例が全国で初めて制定された安心の県、中学生が美人局を企てる先進的な街だ。
手荷物引き取り場にあった「北九州空港に連絡鉄道を」の広告がなくなっていたことに、好感を覚える。
到着ロビーでメーテルがお出迎え。
リアクション少なめで、すぐにバスに乗り込む。
バス運賃を支払うのにSuicaが相互利用できるのは、やはりものすごく便利。
小倉駅へ到着。
地下のドラッグストアで必要なものを購入。
暑さで目まいがし始めたので、タクシーへ駆け込む。
この街では、屋根とミストが流行り始めたようだ。
ここが、脚の数が少ないカエルが見つかった川である。
北九州では、「カエルの脚は何本か?」という問いに対する答えは、「概ね4本、時々2本、まれに6本」というのが正しい。
実家に到着。
酒を呑み、めしを食い、虚無を感じる。