仄苛
秋、ということで、いろいろ見たり読んだりした。
まず、「相棒」。
百貨店代表取締役の背任行為を題材とした「家政婦は見た!」のような、事実のパロディドラマは、作っていて面白いだろうな、と思う。
最後、なぜ引いたのかが、よく理解できなかった。
次に、映画「サトラレ」。
映画とは信じられない、ドラマ的演出。
いくつもいくつもツッコミどころがあり、それを「コメディ」という枠組みでは許せないクオリティである。
台詞による説明に即座に飽き、ヘリコプターで向かう演出が信じられなく、別作品とのつながりを思わせる(興味がない)。
あんな会議、あんな参加者、フィクションでしか見たことがない。
ただ、八千草薫の役だけが絶対的安定であり、これを欠いては成立しない実質的主役といえよう。
ずっとそばにいて、全部知っていて、悟られることもなく、それで本人を信じているわけだから、よほどの人格者と言える。
次点は、松重さんの独演である。
なぜ今これを見ているか、というと、ウィッシュリストを処理するためでもあるが、「本人以外誰もが、その本人のことを知っている」というシチュエーションに共感を感じるかも、と期待したからだ。
うかがえるモチーフを思うと、原作とかけ離れたことが映画ではなされているのではないか、と推測する。
レンタルしたDVDには、監督のコメンタリーがついている。
でも、時間がない。
サウンドトラックをウィッシュリストに登録したため、結局リストの長さは変わらない。
本も読んだ。
まず、オースティン「高慢と偏見」。
英語学習用のリライト版で読んだ。
なんだか、全くわからなかった。
虫が好かない奴が、いい奴に変わっていくのだが、その辺がついていけず、リライト版で読んでいるのがひどいのか、リライト版でも読み取れない自分の英語力が悪いのか、判断がつかない。
かといって、翻訳を読むほど、はまることもなかった。
宮本常一「忘れられた日本人」。
そんな風に、みんながみんなのことを知っているシステムがあったから、窮屈に感じる。
自分の欲しいものが「人がいない、機能だけ提供している都市」だと最近思い当たり、心の底からうんざりし、息苦しさが増している。
TVは、「路線バス乗り継ぎの旅W」第4弾。
実はW第2弾でいよいよ嫌になって、第3弾の視聴をスキップしたのだが、その答え合わせをTVerで見て、髙木菜那の取り組み方だけにとても好感を持ち、「我慢してでも見ればよかったか」と後悔した。
他の2タレントとの対比も見事なもので、特に2戦しか出ていないのに、さも経験があるような態度をとる、キャリアの乏しいはずのタレントについては、呆れを通り越して、少し感心したくらいだ。
あれくらいの横柄さがないと、カメラの前にのこのこ出られないだろう。
第4弾では、その2タレントが降板し、おそらく、2024年最もすっきりした出来事になった。
放送を楽しみにしていたのだが、録画に失敗。
いよいよレコーダーを買い直さなければならない。
それで、TVerで見たのだが、一貫した前向き思考で、最初はちょっと息苦しいところがあったものの、2日目の粘りと宿泊が後の行程にいい影響を与えたのか、3日目、最終日は楽しく見ることができた。
髙木菜那のタレント力がますます高まれば、あるいはエンタテインメントのエッセンスを入れられるゲストを迎えられれば、この座組はいけるだろう。
これだけ遊んでいたら、行政書士試験の学習もままならない。
僕の受験アプローチは昔から変わっておらず、「勉強以外、何もしない」である。
勉強時間は、せいぜい1日1時間程度しか持続しない。
それ以上やると飽きるし、疲れるし、やっている自分が恥ずかしくなる。
かといって、近づいてくる試験が気になって、他の仕事や作業に手を出すことをためらってしまう。
だから、疲れもしない、はまりもしない、読書や映画、TVに逃げ込むのだ。
先週は、1週間かけてテキストすべてを読み直した。
1週間でテキストを1周できるほどに、理解力がついたのだ。
残り2週。
今後は、記憶と解法に焦点を当て、実戦形式で準備を進める。