疾走
これまで何度も言及してきた、「やっぱ九州のコンビニはポプラやね」。
このCMで流れていた「ロックの好きなベイビー抱いて」を、ここに来て初めて聴いてみた。
便利な時代である。
とてもいい詞だ。
まだまだ醜いこの世だけれど、いつかまともになる。
愛したからおまえが出来て、愛があるからお前を産んで。
この子が二十歳になるころには、この世はきっと良くなっている。
そして、メディアドームで行われる成人式に、扮装して出席するのだ。
だから、人間信じてがんばろうね。
シングルマザーを歌った詞であろう。
世の中それほど良くなっていないことは、世界の一構成員として本当に情けなく思う。
いや、認識できていないだけで、少しは良くなっているのだろうか。
ポプラがローソンになろうとも、弁当のごはんを詰めてくれるのだから、まだまだこの世は捨てたものではないだろうか。
クレジットを見ると、「作詞」は阿久悠だ!
ポプラのCMを見て笑っていたころには、そんなことは全く思わなかった。
約30年かかって知った事実である。
シーナ&ザ・ロケッツのアルバムには、全曲が作詞・阿久悠でまとめられたものがある。
なんでもシーナ&ロケッツ側から依頼して間もなく詞が自宅のFAXに送られてきて、鮎川家では床を埋め尽くしたロール紙を神棚に供えたそうだ(阿久悠のサイトより)。
なんと素晴らしいエピソードだろう。
ある動画で、シーナ&ロケッツ出演CMがまとめられていた。
いったいどんな人がこんなことを思いつくのだろう。
見てみると、鮎川誠が福山雅治とポカリスエットのCMに出てたり、鮎川誠が福山雅治と多分石田ゆり子とパナソニックのビデオデッキのCMに出ていたり(「夢がMORIMORI」で流れていた気がするが、鮎川誠を意識していなかった)、二卵性双生児の娘たちとジャノメミシンのCMに出てたり、他にもシーナもそうだけど、特に鮎川誠がいろいろなCMに使われていた。
「とっぱちからくさやんつきラーメン」じゃなくて「はかたんもんな おうどうもん あおたけわって へこにかく ばってん らーめん」だったな。
かっこいい。
小倉で一番のハンサムは草刈正雄であるが、久留米で一番かっこいいのは鮎川誠か石橋凌であろう。
もちろん、久留米のみならず、世界で最も美しいのは、久留米ふるさと名誉大使である田中麗奈さんだ。
勢い余って、ついに「DOS/Vブルース」を手に入れてしまった。
たしか20世紀の終わりごろの「テレフォンショッキング」にこの本を持って出演しているのを見て、「なんとストイックでクレバーな人か」と感激し、そのことだけを覚えていて、ここまで読まずにきてしまった。
その文庫本が2022年に苦労なく手に入るなんて、まともなことではないかもしれないけれど、この世は少しは良くなっている、と言っていいのだろう。
でも、まだ読んでない。