曇天の続き

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2020-10-23 Fri.

支情

2020-10-23

旅に出る、予定だった。

東京駅で、駅弁を物色する。
朝の早い時間帯だが、店には人が多い。
時間の都合上、そして気分も乗らなかったので、駅弁を買うのはパス。
コンビニでビールを2缶、500mlと350ml。
店先の新聞に、「ナインティナインの岡村さん 電撃婚」とある。

東海道線の普通列車グリーン車で出発。
2階席の進行方向右側に座り、品川に到着した頃に缶ビールを開ける。
蒲田トレーニングセンターのことを知り、多摩川を渡り、いくつもの線路が集まり離れするのを楽しみ、親しみのない高速道路の高架に驚く。
横浜駅で、乗り場の乗客を眺めながら、2本目の缶ビールを開ける。
今日は休みで、雨。
車掌が、「雨が強くなったら、窓を閉めてください」とアナウンスするが、グリーン車なので関係ない。

熱海駅に到着。
売店で、サッポロビール ふじのくに限定 静岡麦酒を購入。
これから、伊東線に乗る。

別に意図していたわけではないが、結果的にここ10年ほど、未乗区間を毎年1つ以上乗りつぶしてきた。
そして、直近数年は意識的に未乗区間を消化し、2019年に関東地方の鉄道路線はすべて乗りつぶした、ことにしてしまった。
これで自由になり、2020年は好きなところに行ける、と意気込んでいた矢先に、家に閉じ込められた。
そんな中、よくわからない「旅に行け」キャンペーンが始まり、賛否はともかく安いから旅に出よう、という愚民的根性で2泊3日の旅行を計画した。
それが諸般の事情でダメになってしまった。
やむを得ず以前から行程だけは計画していて、手軽に日帰りでき、未乗区間をつぶすことができる伊豆へと旅立つことにした。
なお、もう一度言うが、今日は雨である。

熱海駅を出発。
実はこれが初めての、伊豆半島である。
車両は、伊豆急行のもの。
進行方向左側、つまり海側がクロスシートになっている。
トイレもついていて、これで安心してビールを開けられる。

30分ほどで伊東駅。
ここから伊豆急行線に入る。
まあきっと、普段は眺めがいいのだろう。

山を抜け、11時過ぎに伊豆急下田駅に到着。
立派な駅だし、土産物にもひかれるが、出発した時よりも雨が強い。
下田の街を散策することもかなわず、駅前の網元料理屋に入り、金目鯛煮付け定食をいただく。
煮付けは思っていたより薄味でおいしく、刺身もおいしい。
店を出て、喫茶店でコーヒーをいただく。
雨で動けないので、駅舎内のベンチに座り、スマートフォンで芸能ニュースを一通りチェックする。

13時過ぎの列車で、戻る。
車内で眠っていたらしく、気づいたらすでに出発していた。
河津駅で下車。
降りたのは、僕一人。
トイレを済ませて、チケットを買い、バスに乗り込む。
これから、天城越えである。

バスの乗客は、1人である。
時間帯もあるのだろうが、温泉地を進むが、誰も乗らない、誰も降りない、誰も歩いていない。
最近のバスは、どのバスも同じ運賃表示システムを採用しているように感じる。

国道414号を進む。
河津七滝で4人乗ってきたが、ループ橋を超えたところで降り、また1人。
ループ橋以外の見どころは、天城トンネルへ続く旧道の入り口と、建設中の伊豆縦貫道。

それにしても、バスというのは不便である。
なじみのない土地だとどういう路線があるのかわかりづらいし、時間は不正確である。
運転手との相性もある。
規律だった様子と正確さを評する表現として、「あの人は、鉄道のような人だ」というのを提唱したいくらいだ。
ITとバスの、もっと言うとITと移動手段の組み合わせについて悩み、バスは進む。

バスは途中、修善寺温泉に寄り、修善寺駅を目指す。
ずっと快調に進んできて、時間調整のために停車することもあったのに、駅近くになって渋滞。
6分遅れで到着し、予定していた修善寺発の列車を逃した。
駿豆線が15分間隔で運行されていることを知り、感謝する。

うなぎパイを購入し、修善寺駅を出発。
伊豆箱根鉄道駿豆線も初めてだ。
味わい深い名前の駅が続く。
途中駅から高校生が多く乗ってくる。
終着駅に近づくと、車窓に水の流れが多く見える。

三島駅に到着。
三島を訪れるのは、これが初めてだ。
改札を出ると街が広がっている。
散策したいところだが、もう16時なので、帰る。

熱海に向かう列車に乗る。
通学客が多い。
丹那トンネルを日常的に通過する、というのは取り立てるまでのことでもないのだろうが、僕はトンネル通過時にやや緊張する。
瀬戸大橋を渡って通勤、通学するのも、今となってはこれと同様の感覚なのだろう。
もっとも、関門海峡に面した街の人間が言うことでもない。

熱海駅に到着。
サッポロビール ふじのくに限定 静岡麦酒と、大船軒の押し寿司を購入。
高崎行きの普通列車に乗り、グリーン車の2階席で飲み食いし、ラジオを聴く。
きっと、これでよかったのだろう。

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