戻時
お察しの通り、「アリバイ崩し承ります」を見ている。
オープニングの美しさは言うまでもないとして、「ピュア」の既視感も脇に置いてくとして、2019年10月期から久しぶりにリアルタイムでドラマを見ているからであろうが、ストーリーに慣れない。
こんなにも強引で、予定調和で、悲しいものか、と。
第2話のプロットも、「興ざめ」というか、「非現実的」というか、ついていけない。
ネタバレとなるが、犯罪の主犯である医師で、准教授でもある人が、このようなつたない犯罪計画を企てるものだろうか。
自分の余命が少なく、元夫に頼み、有力な容疑者も立てず、保険金で弟の借金を償うことを狙うとは、とってつけたような内容。
防犯カメラのない世界なのかもしれないが、それでもこの程度の危ういトリックで隠蔽して、医師ほどの人物が「うまくいく」と思うものだろうか。
それとも、医師がそこまで追い詰められていた、ということで設定を補うつもりだったか。
そして、真実が露呈した後が悲惨である。
本人は殺害されており、もう弟の力になれない。
元夫は、嘱託殺人罪に問われ、しかも保険金詐欺の共犯にもなった。
そして、弟は唯一の家族を失い、抱えていた借金問題は一切解決せず、さらに姉が保険金詐欺を装おうとしたという汚名も背負うことになった。
この話のどこに、弟を思う愛を感じられるであろう。
それにしても、忍成修吾は、浜辺美波のドラマの犯人役の専属俳優なのだろうか。
ここで思い出されるのは、「相棒 Season7」の最終話である。
おそらく、家族のための自殺偽装、保険金詐欺というものは、救いようのない末路を迎える、という教訓があるのだろう。
もっとも、それだけで終わらず追い打ちをかけて終わらせたのは、さすが「相棒」と言えるところだった。
やはり、そこまでの展開は欲しい。
連続ドラマをリアルタイムで見るのを避けてきたのは、「途中でつらくなるかもしれない」というギャンブルに張れるほどの時間を持ち合わせていなかったからである。
以前書いたとおり、人の気持ちを理解するために「義務」として小説を読むことを自分に課しており、その延長線上に「ドラマを見る」というタスクを2020年は追加した。
早くも、つらい。