曇天の続き

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2018-01-12 Fri.

理由

2018-01-12

佐藤正午「ビコーズ」を読み返す。
2016年の夏から続けている、「小説を読む」という取り組みの一環である。

光文社文庫で言えばP187からの、歩いている様の描写で、文章への没入感が急に高まる。
いつだか覚えていない程の昔には感じていた、小説への没入感だ。
近頃読んだ小説からは感じなかったのは、佐藤正午が持つ力を他の小説が持っていないのか、あるいは読み手の経験値が低かったからだろう。

それでは、このような没入感を今後は他の小説でも感じるか、というと、やはりそうでもないようだ。
今は、1970年代生まれの作家が書いた、よく知られた題名の話を読んでいるが、ストーリーは別として、描写に薄っぺらさを見てしまい、没入とは程遠い。
これは、相性とか種類に帰属する問題なのだと思う。

手元にある光文社文庫の「ビコーズ」は初版第2刷である。
第1刷は1988年5月発行、第2刷は2000年12月とある。
12年間増刷がかけられなかったようだ。
この本を僕はたぶん、中古本として買った。

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