曇天の続き

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2017-12-25 Mon.

眩暈

2017-12-25

映画「哀しい気分でジョーク」を視聴。
主演、ビートたけし。
監督、瀬川昌治。

また、いつもの感想になってしまう。
なぜ、2017年になるまでこの映画を見ることなく、過ごしてきたのだろう。

主人公「ひろし」の職業が売れっ子芸人であり、恥ずかしがり屋である主役の性格に役者のそれが投影されている。
話は当然虚構なのだが、こちらはつい虚構と現実をまぜこぜにしてしまう。
子供への愛情を示そうとする父親の不器用さと情けなさ。
それを理解しながら、受け入れる子供。
シドニーに飛んで、コアラと接し、それをストーリーにちゃんと使う、話のまっとうさ。
エンディングは、見ていると苦しい気持ちになるのだが、生活は続くのだという決心も感じられ、鑑賞後に自身の生活を見つめ直す。

僕は、藤子・F・不二雄の「パパは天さい!」という作品が好きで、川崎にあるミュージアムで閲覧できる「全集」で「パパは天さい!」を2016年に改めて読み直した。
その「パパは天さい!」を読んでいるときと同じ気持ちを、この映画を見て感じる。

瀬川昌治の監督作品には「喜劇役者たち 九八とゲイブル」があり、こちらは愛川欽也とタモリが出演しているそうだ。
ぜひ見てみたいのだが、現在のところDVD化はされていない。
ソフトとしては、VHSがあるようなのだが、入手困難である。
また、2016年1月には、この作品が神保町シアターで上映されたそうだ。
キンケロ・シアターなど見に行っている場合ではなかった。

改めて、僕は1985年ごろの日本映画が好きであることを認識した。
今から30年前の作品を見に行くことを思うと、輪をかけて孤立し、世界が狭まりそうで、気が重い。

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