抽斗
2016-11-02
僕が持つ知識の出現形態は、「プッシュ型」というより「プル型」である。
自分から知識を持ち出して会話を始める、ということができない。
何もないところから、何かを思い出すことをとても困難としている。
一方で、人の話から自分の記憶を呼び戻すことは比較的容易である。
この能力によって、人の得意とする分野に話を合わせることは簡単にできていた。
「できていた」と過去形で書くのは、最近では、人の話から自分の記憶が思い出されると、人の話を聞き終わる前に、自分の記憶の会話をしてしまうことがあるからだ。
これをしてしまうと、自分の話を会話に割り込ませてしまう。
また、聞いた話以上の記憶を呼び戻せないから、話が膨らまない。
記憶を活用しつつ、うまく寄り添うような会話を続けるよう心がけたい。
この特徴を他人に伝えるために、最近思いついた表現がある。
「僕は、クイズを解くのは得意だが、クイズを出すのが苦手だ」
何ともつまらなそうな人間ではないか。