曇天の続き

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2012-05-13 Sun.

分配

2012-05-13

これでも、大河ドラマ「平清盛」を毎週見ている。

映像が非鮮明であること、視聴率が低いことなどが、世間では取りだたされている。
視聴率が低いのは、BSやVODの普及だと信じたい。

視聴率の低さを見なくても、僕は思う。
このドラマは、見ていて楽しいものではない。

確かに、僕は真剣に大河ドラマを見ている方ではない。
酒を飲みながら、夕食を食べながら、新聞を読みながら、視聴している。
そんな片手間視聴スタイルが悪いとはわかっているのだが、それでも、話の筋がよくつかめないことに不満を持っている。

まず、僕が平安末期の基礎知識をほとんど持ってないのが、大きな原因である。
多少勉強すれば、きっとドラマが楽しめるのだろう。
ところが、「勉強してみよう」という気にもさせてくれないのが、今の大河ドラマだ。

そして、いくつかのメディアが指摘しているように、確かに登場人物が多い。
当初は気づかなかったが、回を追っていくうちにそのことに気づいた。

正直に申し出ると、僕は田中麗奈を見る目的だけで大河ドラマを見続けてきた。
田中麗奈はほぼ毎回出てくるが、その出演時間は各回でほんの2分程度である。

これは完全な邪推だが、登場人物が多い分、各回に出演するように配慮すると、それぞれの出演時間は短くなる。
登場人物が多くなれば、それぞれを描く必要も出てくるし、人間関係も複雑になってくる。
これでは、視聴者の理解が進まない。
そして、「大河ドラマ俳優」という称号が出演者のプロフィールに残る。

フィクションとして割り切り、もっとシンプルな構成にすることもできたはずだ。
これまでも、批判を浴びながらも史実とは違った演出をし、それで成功を収めたことがあった。
今回のドラマでも、「白河法皇の実子」という一説を大胆に採用した(史実だと受け入れた人もいるのではないか)のだから、他にもいろいろできたはずだ。
はっきりとはしないけれど、歴史に切り込めない障害の存在を仮想してしまう。

僕の乏しい歴史知識だと、今後盛り上がるのは、保元の乱と平治の乱だろう。
そこから先、興味を引くようなところがあるのだろうか。
主役は、「嫌な奴」というエピソードには事欠かない人物である。
清盛の死後に起こった源平合戦を描くとしても、それはとても金がかかりそうだ。

新聞の投稿欄に、「大河ドラマ、みんなおもしろくないと言うけれど、私にはおもしろい」という10代の意見が掲載されていた。
「自分にはわかるんだ」と得意げになるのは結構なことだが、何も新聞で言うことではないと思う。
大河ドラマなのだから、打ち切りの心配もない。
そのやり口は、マツコ・デラックスと同じではないか。

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