曇天の続き

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2012-04-05 Thu.

激務

2012-04-05

及川光博に代わる、「相棒」の新しいキャストが発表された。

「相棒」を見ていて思っていたのは、「特命係の仕事はとても大変だ」ということだ。
実際の特命係の業務のことを言っているのではなく、撮影についてである。

番組のほぼ全編にわたって、特命係の2人が画面に映っている。
撮影時間の多さがうかがわれる。
そして、スタジオでの撮影だけでなく、ロケーションも多い。
クレジットの撮影協力を見ていると、関東近郊に遠出することも少なくなさそうだ。
台詞は難しいし、分量も多い(台詞でストーリーを進めることが多いからだ)。
別の連続ドラマに出演している名取裕子が書いていたが、ある話の後半と次の話の前半を同時に撮影することなどざらなのだそうだ。
同じことが「相棒」にも起こっているはずだ。

しかも、他のドラマと異なり、半年の拘束だ。
そして、「劇場版」の撮影に加えて、プロモーション活動もある。
それが、毎年続く。
おそらく、他の仕事を入れるのは難しいだろう。

それにもかかわらず、主役の水谷豊は他の単発ドラマにも精力的に出演している。
「相棒」役は、たまったものではない。

そんな中、及川光博はよくやっていたと思う。
3年で終わるのは、「降板」ではなく「卒業」と呼んで全く問題ないと思う。
女優の結婚相手を見つけたのは、そのご褒美である。

さて、新たな相棒役が発表されたことにより、「相棒」はさらに数シーズン続くような気がしてくる。
しかし、そう思うのは勘違いである。
他の番組と同様、視聴率が下がり、スポンサーの意向が現れれば、番組はいとも簡単に打ち切られる。

アメリカの連続ドラマでは、そういうことが頻繁に起きていると聞く。
壮大な前振りにもかかわらず、当初の予定とは異なる時期に最終回を迎え、伏線を回収しきれないまま終わるというケースがあるそうだ。
中には、次のシーズンの放送が予定されていたにもかかわらず、制作されないままになっているドラマもあるそうだ。

そういうドラマに当たってしまった視聴者は、謎が解かれないままで放置される気持ち悪さに耐えなければならない。

小さく産んで大きく育てる、というのが基本だと思うけど、ドラマ制作に限っては、大きく産んで継続を迫る、というのが常道なのかも知れない。
それと、恥ずかしさに耐えうるマインドと。

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