反骨
僕が今楽しみにしている番組を3つ挙げるとすると、「本番前@控室」、「竹中直人の大人の笑い」、そして「ブラマヨとゆかいな仲間たち アツアツっ!」である。
「アツアツ」は、ゲストの苦労話と意外な一面、そして吉田さんの根の深さを知ることができて、とても楽しい。
その「アツアツ」に、バカリズムの升野さんが出演していた。
番組の中で、僕がずっと知りたかった、升野さんの心理の成立過程について少し触れられていた。
子供のころ、彼は気性の荒い人が多く住む炭坑町で育った。
炭坑はすでに閉まっていたが、気性が荒い風土はそのまま残っていた。
体の小さかった彼は、いじめの対象となっていた。
しかし彼は負けん気が強かったため、けんかに挑み続けた結果、ボコボコにやられ、傷やあざが耐えなかった。
それでも彼は、どうにかして相手に勝とうとした。
そこで彼は、相手を観察し、いじめる人間の弱点を見つけては、その弱点を責めるようになった。
「なるほど」と思った。
あの町には、常に殺気だった勝負の気配がある。
気を抜いていたら、すぐにやられてしまう。
負けを受け入れてしまえば、周囲の連中からことごとく利用されるようになる。
負けた者は、身を縮ませながら、目立たないように生きていくことを迫られる。
最初は惨めさに煩悶するが、やがてその惨めさにも慣れるようになり、次第には開き直るようになる。
負けを負けであると認め、負けている状況に甘んじ、そして尊厳を失ってしまう。
だから、対抗できる力が残されているのなら、決して負けを認めてはならない。
それが、教えられなくとも自然に身につくルールである。
そんな升野さんが、地元の知人に頼まれて、商工会議所のPRキャラクターをデザインした。
地元のために何かをするような人には思えなかったので、とても意外だ。
それでも、市のキャラクターがすでにあるそうで、市としては競合が気になっているようなのが、小気味よい。
なにより、ああいうタイプのキャラクターに仕上げたところが、いい。