有能
BS日テレの「竹中直人の大人の笑い」を見続けている。
この番組は、毎回出演する芸人の色が出てくるところがおもしろい。
身内のネタを出してくるTKOの中堅らしいこぢんまり感と、ただ野球をしているだけでおもしろいことが起こるのではないかと考えたジャルジャルの若手らしい大胆さの対比が、実に印象的だった。
ところで、以前から思っていたことがある。
それは、竹中直人についてだ。
あの人、本当におもしろいのだろうか。
前もって断っておくが、僕は竹中直人がコメディアンとして活躍していた頃を見ていた世代ではない。
彼の舞台も見に行ったことがない人間が、正当な評価をできるわけもない、と一蹴されても、それは仕方のないことだ。
むしろ、その頃を知らないからこそ、おもしろさを理解できないところがある。
例えば今になって断片的に「笑いながら怒る人」という芸を見せられる。
こちらは、きょとんとしてしまう。
もう何十回も見ているが、全くはまらない。
彼は「大人の笑い」で進行役として、ひとりで話している。
残念ながら、それがおもしろいと思わない。
だから、周りにいる誰かが本人に尋ねてもらいたいのだ、「それ、一体何なのですか」と。
そうしたら、もう少し視聴者に寄せた芸をしてくれるのではないだろうか。
批判可能なポジションにいてもらって、誰かに質問してもらって、それで説明してもらうようなことをしてもらわないと、僕には理解できない。
それほど、視聴者である僕は無能の人なのだ。
ただ、この番組が竹中直人のような進行役がいないと成立しないのは理解できる。
また、ロッチの回では、竹中直人のコメントを引き出せたところもよかった。
何より、ロッチが「BGMにカーディガンズを使うのがおしゃれ」と考えているところに、同世代感が出ているのがよかった。