信託
今の眼鏡をかけ始めてから、僕の身に起こったいいことは、4つ。
これは、偶然なのか、あるいは何らかの因果関係があるのか、僕にはわからない。
以前の記事で言ったように、この眼鏡にも「メガネ何チャラ」が蓄積されているし、メッキもところどころはげている。
またコンタクトレンズに戻そうかな、と思い始め、現在街のコンタクトレンズショップに探りを入れている。
それにしても、以前からずっと疑問なのだが、どうして街のコンタクトレンズショップには相変わらずうさんくさい雰囲気が流れている、と僕は感じてしまうのだろうか。
何より、駅前でサンドウィッチマンがティッシュを配っている形態が、どうも信用できない。
無担保融資と同じで、人がひた隠しにしている劣等感や欲望にズバッと切り込んでくるような気がする。
気弱な地方出身者だけが抱く感情だろうか。
それはさておき、初めてコンタクトレンズを購入したショップに、11年ぶりに行ってみた。
井出薫が広告で宣伝をしていたショップチェーンだ。
しかし、昔だったらこういう言い方をしてもわかる人しかわからず、具体名を伏せる効果と優越感の両方を手にできたものなのに、このネット万能社会では、ちょっと調べればすぐにどこのショップチェーンのことかわかってしまう。
便利だけど、つまらない社会だと思う。
話がそれたが、相変わらずこの店は何というかチャラチャラした感じの店だった。
「気軽に目の中に異物を入れて、人生変えちゃいましょ!」というその店のオーラに襲われ、思わず胃液を戻した。
別の店では、入り口に黒服の男性が待ちかまえていた。
「コンタクトレンズの話を聞きたいんですけど」とこちらが言うと、黒服は中に案内し、別の女性が現れ、対応してくれた。
こういうシステムの店を見ると、別の業態の店を連想してしまう。
まったく、もっと信頼できるコンタクトレンズ量販店はないのだろうか…。
でも、探しているうちに1軒だけ、ものすごく地味なコンタクトレンズショップに出くわした。
店員の方がとても誠実な対応で、こちらから質問しなくても親切丁寧に説明してくれて、こちらの事情に対して親身になって相談に乗ってくれた。
ただ、その店の地味なたたずまいがやはり気になる。
本当にこの店に眼球の未来を託してもいいものか、と。
理想的なコンタクトレンズショップのたたずまいとはどのようなものだろうか。
とても難しい。