曇天の続き

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2010-01-14 Thu.

停波

2010-01-14

「テレビ、辞めます!」

こう宣言するテレビ放送局が現れれば、それはかなりの冒険だと思う。
それも、少し期待の持てる冒険。

現状の放送局は、「テレビもネットもやります」というスタンスである。
そして、それは今のところ、成功まで辿りついていないと言える。

僕は、放送業界で松井証券のような放送局が現れてくれないだろうか、と期待しているのだ。
ご存じの通り、松井証券は、証券界の常識であった投資家への営業活動を止め、通信取引に注力し、ネット専業証券へと変貌を遂げた。
その結果、松井証券は中堅証券会社でありながら業界再編を生き残った。
これを、テレビ業界でもやってほしい。

放送局の中にも、電波を使った放送にこの先の展望を見出せないところがあるのではないか。
逆に言うと、コアコンピタンスが電波ではなくコンテンツである放送局があるのでは。

視聴者は、オンデマンドで情報を得られるネットの可能性に期待していると思う。
現に、ネット専業の放送局が新規参入している。

放送局には、これまで制作してきた圧倒的な量のコンテンツがある。
コンテンツを制作する技術もあるし、経験もあるし、業界のつながりもある。
新規参入と比べ、その点は大きなアドバンテージになる。
だから、コンテンツをネット業者に売るのではなく、自前でサイトを運営、しかも専業にしてしまう、という案も考えられる。

思い切って、電波による放送をやめてしまい、今後一切のコンテンツをネットで流すプラン。
それが「テレビ辞めます!」宣言である。

キー局にそれをやって欲しい、とは言わない。
系列局も無理だろう。
となると、期待が持てるのは、地方独立UHF局だ。
どこかがやってくれると、楽しいことになりそうなのだが。

技術的は、可能だろう。
でも、確かに金銭面でのリスクが大きい。
関連法令や権利問題をクリアするのも、難しそう。
第一、放送免許がいらなくなるので、もはや放送局とは呼べなくなるのだろう。

放送局やら新聞社の経営が悪化していると言われて久しい。
でも、今の状況ではたぶん数が多すぎるんだと思う。
政府が保護をあきらめることにより、淘汰される時代がおそらくくる。

「福岡に独立UHF局が設立されるのであれば、身を奉じる覚悟がある」と言ったけど、前言撤回。
福岡のラジオ局がテレビから独立して、インターネット専業のラジオ局になるのなら、身を奉じることを考えてもよい。

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