沈黙
映画なら、どのジャンルも見る。
だけど、怖い映画だけは見ない。
理由は、怖くて見ていられないからだ。
怖い、というのは、ホラーとかいわゆる「スプラッター」とかのジャンルに限らず、登場人物の人格の恐怖も含まれる。
岸部一徳はタイガース時代に「一番怖いものは?」と聞かれて、「人の心」と冷静な答えで返した、と言われているが、その類に近いと思ってもらえればよい。
ところで、「一番好きな映画は?」という質問への答えは非常に難しい。
でも、「一番好きなトリロジー・ムービーは?」という質問には、一応答えを用意している。
ただし、めったなことでは言わない。
理解されることが少ないからだ。
僕が「一番好きな映画三部作」として思い浮かべるのは、「羊たちの沈黙」シリーズである。
僕は評論家でも映画感想家でもないので、「羊たちの沈黙」シリーズのどこがいいのか表現することはできない。
とにかく、何度も見ていることだけは確かだ。
惜しむべきは、シリーズの新作が出たので、「三部作」と呼べなくなったことだ。
当初は、「アンソニー・ホプキンスが出ていないので、新作をカウントしなければいい」と思っていた。
しかし、新作を見た結果、そちらの出来もよかったように感じたので、新作をカウントしないわけにはいかなくなった。
最近不安に思うのは、「羊たちの沈黙」が残虐な映画に含まれるのかということだ。
何度も見ているので、レンタルディスクショップには貸出履歴がおそらく複数残っていることだと思う。
貸出履歴を警察がチェックして不審者扱いされる可能性もある。
レンタルショップのDVDの並びを見る限り、より残虐な表現だけを題材にした映画はたくさんあるみたいだ(見たことがないので確信は持てない)。
なので、「羊たちの沈黙」は除外して欲しい。
映画「セブン」で、図書館での本の貸出履歴をFBIがチェックしている、という場面があった。
恐ろしい話だな、と直感的に思った。
だけど、あんなのは話を進めさせるための道具であって、決して実際に行ってはいけないことだ。
でも、少なくとも島根県警では聞き込みレベルで導入されているみたいだ。