曇天の続き

Diary > 2009 > 11 > 06 | Prev < Calendar > Next | RSS 1.0
2009-11-06 Fri.

命懸

2009-11-06

「探偵!ナイトスクープ」の総集編で、

年配の女性に「好きな食べ物は?」と尋ねると、必ず「何でも食べます」という答えが返ってくる。

という昔のネタが放送されていた。
検証VTRでは確かに「何でも食べます」と多くの女性が答えていた。

確かに。
うちのばあさんもそうだった。
何でも食べると豪語していた。
加えて、外食すると必ず「みんなと同じものを私も頼む」と言っていた。
理由は「頼んだものが一緒に出てくるから」だそうだ。
それを見て「あんたには食べたいものはないのか」と子供ながらに思ったし、マネされるのは正直うっとうしかった。

外食する際、僕はまず全身全霊をかけて店を選ぶようにしている。
具体的な基準を言葉で表すことはできないが、とにかく五感をフル活用して店のたたずまいを感じ取り、店をチョイスする。

そして、メニュー選びに時間をかけ、命をかけて献立を見極めようとする。
どんな店でも「当たりのメニュー」があると、僕は性善説的に信じているのだ。
時間がなかろうが、年配の人と食べに行こうが、おごってもらうことになっていようが、これだけは絶対にやってしまう。
「何でもいいよ」という考えの人にはひどくうっとうしがられていると思う。

五所川原の羽柴誠三秀吉氏は「女性を口説く情熱の半分を仕事に傾けよ」と言ったらしい。
僕はその情熱をメニュー選びに捧げている。

それでも、外すときは外す。
まだまだ精進が足りない。

ところで、人生において得難いのは、何を注文しても当たりの料理が提供される店である。
飲食店においてメニューと真剣勝負をしなくていい、なんて最高だし、気楽である。

しかし、そんな店にはなかなかお目にかからない。
本当はたくさんあるのかも知れないけど、僕が知っているそのような店の数は増えていかない。
1つ見つけてしまえば、その店ばかり行くことになり、他の店を見つけようとする意欲が奪われてしまうからだ。

Link
Diary > 2009 > 11 > 06 | Prev < Calendar > Next | RSS 1.0