曇天の続き

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2024-04-06 Sat.

捕縛

2024-04-06

スマートフォンの電源ボタンを押しても、スリープが解除されず、反応がない。

かなり焦った。
操作を繰り返し試してみたら、何度目かでいつもの通り起動し、その後は何事もなかったように使えている。

このスマートフォンは、2020年11月ごろ購入した。
その前に使っていたスマートフォンは、旅先で起動できなくなり、突然フルリセットされてしまった。
かなり焦った、どころではなく、旅先だったこともあり手出しできることがほとんどなかった。
かろうじて、Googleアカウントにログインできる手段を持っていたのと、航空チケットのQRコードをプリントアウトしていたことで、最悪の事態は回避できた。
それでも、旅行先の天草で撮影した写真がバックアップできておらず、すべて失った。
﨑津教会とみぞか号は、僕の記憶の中でしか蘇らない。

後継機の検討に入り、有識者に薦められるまま、OPPO A73を発売直後に購入した。
色は、ネイビーブルー。
有機ELディスプレイで、保護ケースもついていて、値段も良心的で、何も問題なかった。
Color OSに不安があったものの、これまで使っていて困ったことはない。

とはいえ、前回端末に上記の事象があったので、いくら困ってなくても不穏な動きは見逃せない。
約3年半使っていることもあり、普段の自分としては早い動きだが、「買い替え時」と判断した。

ちょうど「買え」と言わんばかりに、OPPO A79が発売された。

スペックを見て、特に問題ないと思ったが、念のため家電量販店に行き、情報収集。
「お手伝いできることがあれば」と販売スタッフが近づいてきて、「スマートフォンの買い替えを考えています」とアドバイスをお願いする。
「どのようなものを」と聞かれるので、「ゲームもしない、カメラも使わない、動画も見ない、SNSはおろか、LINEも使わない、メールはアルゴリズムが送ってくれるものだけ、ウェブでお笑い情報を集めるくらい、コストパフォーマンス重視」と答える。
そしてOPPO A79を指さし、「おおよそこの辺で考えているのだけど」と促し、他の機種の紹介を期待した。
でも、スタッフの反応は特にない。
しばらく黙っていると、「ちなみに、回線は何を使っているのですか」と尋ねられたので、(やや強めに)「今回、回線を変更することは一切考えていない」と答えた。
そうすると、スタッフは何も言うことなく離れていった。

こういうスタッフもごくまれにいて、もはや説明を受けている方が商品知識が豊富なのではないか、と錯覚することすらある。
実際は、適切なアドバイスをしてくれるスタッフがほとんどで、以前OPPOを薦めてくれたのも店のスタッフの方だった。
ある時は、「何を使っていますか」「OPPOのA73」「回線は」「OCNモバイルONE」「今の使い方でそれだったら、お客様には何も言うことはないです」というやりとりをしたことがある。
この先、このようなやり取りがあるかを考えると、不安である。

今回、スタッフのアドバイスが役に立つことはなかったが、シャオミ、ZTEあたりも候補には上がったものの、頼りにしている身近な有識者のおすすめもあって、OPPO A79を買った。
色は、グローグリーン。
値段は、30K円に届きそうな程度。
これまで、「スマートフォンは20K台前半で手に入れば」と思っていたのだが、もうそんな時代ではないらしい。

A73とスペックを比べてみよう。

ディスプレイの解像度は変わらず、LCDになった。
大きさもほぼ変わらず、少し重くなった。
ストレージが128GBで倍増した(ROMって何だ?)。
メモリは4GBで、ブーストもできるらしい。
アウトカメラの画素数は増え、インカメラの画素数は減った。
CPUはオクタコアで、周波数を見れば少し上がっていた。
バッテリー容量が5,000mAhと大きく、33W急速充電ができる。
指紋認証がディスプレイ下部から側面のスイッチに変わった。
5Gに対応するようになった。
保護ケースが付属しなくなったので、別売で買った。

ほとんど変わらないし、何なら下がったスペックもある。
スマートフォンの機種変更で心躍るようなことは、もうないのだろうか。

実際、機種の引っ越しのことを考えると、気が滅入る。
Googleアカウントを入力、自宅の無線LAN(もしかしたらBluetoothだったか)を通じれば、設定の引継ぎをある程度してくれた。
これにかなり助けられているはずだが、アプリのログインのやり直しは30個くらいやった気がする。
最も面倒だったのは銀行口座アプリで、そのうちの1つは電話の手続きを要した。
銀行口座アプリは入れたくないものの、最近の認証はアプリがないとダメで、やむを得ず入れた経緯があったのだが、やはり面倒なことになった。
銀行の電話応対は、行員の方というわけではないかもしれないが、声の感じから察するに、アプリの再登録の仕方を説明するような数奇な人生になるとは思いもよらなかったのではないか。
その後も1か月くらい並行稼働して様子を見て、一通りの引継ぎはできたと思うが、まだ不安。

今回の機種変更のハイライトは、おサイフケータイである。
僕にとって初めてのおサイフケータイ対応スマートフォンとなった。
厳密にいうと、父が十数年前に放棄し受け継いだスマートフォンがおサイフケータイ対応であったが、SIMを入れていなくて使えなかった。

これまで、おサイフケータイ対応機種を選んでこなかったのは、価格面もあるが、それ以前に使うまでの必要性を見出せなかったからだ。
僕にとって使う頻度が最も多そうなのはモバイルSuicaだが、毎回スマートフォンを持ち出して決済や改札通過するよりも、プラスティックカードを格納しているカードケースの出し入れの方がずっと楽だし、端末落下などの事故も起こしたくないと思っていたからだ。
これまで「モバイルSuicaにしておいた方がよかった」と思ったのは、Suicaエリア外へ行ったときだけだ。
エリア外ではオートチャージができないので、やむを得ず事前にプラスティックカード2枚に最大限のチャージをし持ち回る、という惨めな努力をしてきたのだ。

今回はモバイルSuicaを使い始めることにした。
ターゲットとしている価格帯に、おサイフケータイ対応機種が出てきたこともある。
何より、定期券のポイント還元が見逃せない。
郊外に住んでいることで、都心在住の人間に蔑まされているような被害妄想に苦しめられ、度肝を抜くほど定期券額を払っている。
その僕にとって、このポイント還元は「本当にこれでいいのか」というほどの還元率だ。
実際、還元率を見たときに、少し高くてもおサイフケータイが使える機種を選択肢に入れようかと検討していたくらいだ。
それにしても、年金保険料はともかく、健康保険料と介護保険料の算定に通勤手当を加えることには、この際ついでに憤慨しておきたい。

実は、改札前で端末を出すのを面倒に思い、スマートウォッチの購入も検討した。
でも、現状ではAndroidで定期券に対応しているスマートウォッチはないようだ。
不要なガジェットを手首に巻きつけずに済んだ、と受け止めるべきだろう。

結局、モバイルSuicaとビュースイカの2つを使い分け、おおよそ以下のような使い方に落ち着いてきた。

JR改札では、モバイルSuicaをかざす。
定期券が載っているし、定期券外はポイントが貯まる。
JR以外の改札は、カードケースに格納したビュースイカをかざす。
これで、オートチャージを試みる。
普段の買い物は、ビュースイカで決済する。
上記したとおり、カードケースを出し入れする方が便利だからだ。
ただ、スマートフォンに入れているポイントアプリの対象店である場合、アプリを提示して、モバイルSuicaで決済する。
これまで、ポイントアプリを提示するのが億劫で、プラスティックカードのSuica決済だけで済ませてきたのだが、端末を差し出すついでにアプリを起動すればポイントを貯められる。
これでdポイントのことを思い出すようになった。
Suica決済ができなければ、PayPayカードのVISAタッチ決済、以下、ビューカード決済、PayPay決済、現金、皿洗い、食い逃げ、他人の銀行口座から拝借、開き直って借金肩代わりを依頼、という順番で手段を繰り出す。

これで、少しは現代人ぽくなった。
一方で、モバイルSuicaという厄介なものに捕らえられた、という気持ちは強い。
今後のスマートフォンの機種変更の際には、おサイフケータイ搭載機種であることが条件になる。
Suicaの販売も制限されている現状、Felica搭載機種がいつまでも安価に手に入るものかと、不安になる。
もっとも、本当に捕らえられているのは僕ではなく、この国の業界ではないかと思う。
何より、スマートフォンを買った1週間後、同じ店で3K円値下げしていたことには、ご立腹。

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