曇天の続き

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2023-12-24 Sun.

預運

2023-12-24

2023年の年末、時間の余裕がいつもよりあるように感じる。
12月に入ってから大きなタスクがあったが、営業日も多く、処理できた。
今年は、年末を十分に楽しむことができそうだ。

もはや、僕は季節の行事について、正月を除くと何も関心がないのだろう。
クリスマス近辺で浮足立っているのは、クリスマスだからではなく、正月の前の年末だからである。
百貨店の食品売り場の混雑に顔をしかめながらも足を運ぶのは、正月食材を買うためである。
食材の彩を見せつけられると、自制心を試されている気がする。
金曜に買ってきたワインは、ローストビーフとともにもう飲んでしまった。

2023年に読んだ本は、現時点で123冊。
数を稼いでいる理由は、prime readingを使って無料で読める本を30分くらいで流し読みしている分も含むからだ。
流し読みと言っても、全部目を通しているつもりであり、全部目を通しても30分で読み終えられる内容と言えよう。

今年一番印象に残った本は、TKO、浜口倫太郎「転落」である。
売れている芸人は、ここまでの下積みをしているものか、と改めて気づかされた。
それは反動があるだろうし、恐怖もあるだろうな。
一方で、トレーダーに金を預けた最初の詐欺被害はまだ同情できるが、木本さんの2番目の詐欺被害は、同情ができず、むしろ彼は結果的に詐欺行為の勧誘をしたとみなされても仕方ないか、と思わされた。
金がなくなることは怖いし、それ以上に債務が怖い。

ピストジャム「こんなにバイトして芸人つづけなあかんか」も、興味深かった。
文章から伝わってくる処理能力の高さがあっても、芸人を続けることに自問自答する姿に、僕らは見守ることしかできない。
稼業を選ぶことと、ライフワークを選ぶことは、明確に異なる。
それでも、話術があれば広告収入で生計を立てられる時代なのだから、「食べていけない芸人」はもういなくなるのだろう。
「売れない芸人」と自称するのは、芸人ではないのだろう。

黒柳徹子「トットひとり」を読み、悲しい気持ちになる。
長く生きていると、別れも多い。

西川きよし「小さなことからコツコツと」で、彼のモットーの本当の偉大さを知る。
彼は、議員になってから、年金の支給日が休日と重なる場合に、休日明けではなく休日前に支給されるよう、法律改正に取り組み、実現している。
休み前に孫にプレゼントを買ってあげたい高齢者に配慮して、とのことだ。
大勢に就いて、大言壮語に終わっている連中に、くらわしてやりたい。
ついでに読んだ、西川かの子「晴れときどき西川家」の内容が激烈にひどい(と自分には感じた)ことを付け加えておく。

他には、TAIGA「お前、誰だよ!」、萩本欽一「ありがとうだよスミちゃん」、石原良純「石原家の人びと」、間寛平「素敵なおじさんと言われたくて」、牧野武文「ゲームの父・横井軍平伝」などを読んだ。
勝新太郎対談集「泥酔のみのみ浮き沈み」がよくて、特に文庫の裏表紙の紹介文「会って5分で大喧嘩になったハマコー以外すべてを収録」で大いに笑った。

Teststerone「筋トレは必ず人生を成功に導く」には、感激すら覚えた。
システムがシンプルで、頑健である。
そして、これは残念なことだが、付き合いたくない連中の目をある程度背けさせなければならない。
2024年は、大腰筋のことを考えていこうと思う。

稼業に関連するものだと、河本薫氏の一連の書籍が自分の業務の指針となり、ずいぶんと助けてもらった。
「ジョブ理論」「目的ドリブンの思考法」が、prime readingで得た収穫である。
「ビジネスエリートになるための投資家の思考法」「システムを作らせる技術」「電通と博報堂は何をしているのか」などが、印象に残る。
僕はなんとなく、「もう会社は人を雇いたくないのでは」と思っていたのだが、橘玲「働き方2.0vs4.0」、川田利明「開業から3年以内に8割が潰れるラーメン屋を失敗を重ねながら10年も続けてきたプロレスラーが伝える「してはいけない」逆説ビジネス学」を読んで、その確信を強めた。
実は僕も、人からコンピュータやソフトウェアに作業依頼をシフトしつつある。
「ビジネスに登場する人間には3種類しかいない。それは、資本家、メカニック、そして芸者だ」とでも言い切りたくなる。

小説は、奥田英朗「ガール」、カズオ・イシグロ「充たされざる者」、又吉直樹「火花」、チャンドラー「プレイバック」、帚木蓬生「白い夏の墓標」「十二年目の映像」を読んだ。
最後の2冊は、20年以上前に文庫を購入して一度読んで書棚に置いてあったのを手に取った。
「白い夏の墓標」が書店にディスプレイされているのはそのためだったかと悟り、ビッグハットのことを思いながら「十二年目の映像」を読み、その思いは間違いであることを「クイズまるごと大集合」の記憶が教えてくれた。
毎週金曜の通勤電車内を「小説の読書時間」と定めているものの、気乗りしなかったのもあり、はかどらなかった。
読みたい小説は限られているようで、出会うまでに時間がかかる。

「周囲の情緒を理解するために小説を読んでいる」わけだが、その瞬間は一向に訪れない。
むしろ、情緒など入るスキのないジャッジが増え、顰蹙を買っている機会が多くなった。
もうそういう道を歩むよりほかないのかもしれない。

kindleの連続読書週数は通年で途切れることはなかったものの、日数の連続記録は難しい。
平日は移動中にkindleを起動するが、週末だと忘れてしまう。
つい最近も忘れてしまい、数値が一桁に戻った。

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