曇天の続き

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2023-08-13 Sun.

無私

2023-08-13

忘れっぽくなってしまい、直近の過去のことを思い出せなくなったこともあり、今年は半年ごとに振り返りの機会を設けよう、と年初に決めた。
本来なら6月にその作業を行っていたはずだが、そのタイミングでPCを修理に出すことになった。
手元にPCがなく、過去を振り返るのもおっくうになってしまった。
そして、特に何もしないまま、今日にいたる。

ところで、2023年の投資活動を、最近ほぼ終えた。
「ほぼ」と言っているのは、積み立てがまだ続いているのと、機会を見て売却する資産が残っているからだ。

いいタイミングなので、今年の前半戦を振り返っておきたい。

ここまで、年初に決めた計画を遂行してきた。
具体的には、半月に一度インデックスファンドを5ドルずつ購入する、というものだ。
計算が誤っていたのか、予定していた投資額を使い切ってしまったため、途中で購入を取りやめた。
幸運にも資産を売却するような事態に陥ることはなく、バイ・アンド・ホールド戦略を貫いている。
幸運とは、実につまらなく、ありがたみを感じ難いものなのだ。

そんな風に過ごしていたら、2024年以降のNISA制度についての発表があった。
大幅な拡充である。
「そんなに弾がないよ」というのが、ひとまずの感想だ。

2022年、過去最悪の損失額を記録した。
2023年の前半を終え、多少の回復があるが、昨年分を取り戻すまでには到底至らない。
円安もまた進んでいる。
近隣のラーメン店が外国人客でいっぱいで、昼に入店することがかなわない。
インバウンドの復調を喜んでいいことなのか、素直には受け止められないでいる。

さて、僕は「やめよう」と思っていることがあって、それはポジション・トークである。
自分が有利になることを強調することなく、他人に行動を促すことは控えよう、と心がけている。
心がけているだけで、実際にできないのが、情けない限りだ。

投資に関して、僕のポジションは「インデックス投資中心」というものである。
そのうえで、もし他人に投資に関するアドバイスを求められたら、どう答えればよいか悩む。
自分が信じ、続けているやり方をそのまま教えることもあるが、本当にそれでいいのだろうか。

インデックス投資を進めている僕にとって、困ることがいくつかある。
その1つが、市場の公平性が失われることである。
場合によっては、閉鎖的でいびつな市場の方が、相手を出し抜く機会を狙うものにとっては有利なのかもしれない。
僕は、自分のポジションを優先し、開かれた市場を強く希求する。
情報や機会が独占されず、誰もが均等にアクセスできる環境を求めている。
別に、それがあるべき姿だ、とは思えない。
単に楽をしたいだけだからだ。

困ることのもう1つは、誰しもがインデックス投資を実施することである。
多くの人々が考えることなく市場を一律に購入してしまうと、そこに価格の調整が働くのかが怪しくなる。
市場に織り込まれていない情報がないか血眼になって探す人がいるからこそ、インデックス投資はうまくいく。
別に、日本銀行に言っているわけではない。

だから、もし意見を求められるとしたら、次のようなことを言うだろう。
「インデックス投資なんてつまらないし、大きく儲からないよ。臆病者がやることだ。市場に従ってないで、優秀な能力を生かして、市場のゆがみを見つけてみるべきだ。君ならきっとできる。でもそのためには、誰もが参加できる市場じゃないとダメだよね」
「優秀な能力」という表現はおおよそ虚飾だが、でもそれ以外は本心である。

これが「ポジション・トーク」と呼ばれるのなら、それは受け入れる。
身近にいないみなさんには、もっと博徒魂を燃やしてほしいものだ。
そしてたぶん、妹の子から質問を受けたら、「現代ポートフォリオ理論を理解せよ」とアドバイスする。

説明なくインデックス投資を進めるのも、なんか考えもののように感じる。
思考停止をもたらすだけで、その人のためになっているのだろうか。

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