水前
久しぶりの休暇。
川崎から5年ぶりの大師線、4両編成の列車は川崎大師駅。
駅前から参道を目指す。
右手にやけに壁が続くな、とは思った。
道路脇にガムテープが小さくいくつも貼ってあって、その1つ1つにいろいろ書いてある。
何と書いてあったかは忘れたが、30個くらい見て、それが露店のバミリであることに思い当たった。
角を右に曲がり、あっ、こういうことかと気づき、折り返して参道を進む。
飴が売ってあるのだが、求めることはなかった。
どこにでも顔を出している弘法大師の聖蹟あっての川崎大師か、と来る前は思っていた。
調べてみると、平間寺は、1128年海中から引き揚げた網に弘法大師の木像があったことが、建立のゆかりである。
まあ、浅草神社みたいなものだろう。
「祖父に会うために高野山に行きたい」と常々思いながらも機会を得られず、そのうちに祖母も行ってしまった不孝をお大師様に詫びる。
南無大師遍照金剛。
ただ、僕の宗教上の理由から、賽銭を奉ることはできない。
寺の境内を歩く。
何かいろいろあって、ありがたい、ありがたい。
歩いているうちに、公園に出る。
行った後に、「瀋秀園」という中国庭園があったことを知り、残念。
門前を過ぎ、大師銀座を抜ける。
この辺、住みやすいのだろうか。
産業道路に突き当たり、踏切跡を見学。
厳密にいうと、線路が地下化してから通ってないわけだが、こだわりないからいいか。
事前にバスの時刻は調べており、それに間に合うように歩いてきたわけだが、少し時間があまり、バス乗り場に座って待つ。
やがて、バスがやってきて、行く先を告げてICカードをタッチする。
乗客は1人。
キングスカイフロントがどんなところかは、車窓からはよくわからなかったが、途中で3人くらい乗ってはきた。
やがて左に曲がり、多摩川スカイブリッジで多摩川を越える。
バスは、天空橋駅に到着。
羽田イノベーションシティは、工事中のところもあるが、できているところもあり、先へ進む。
見慣れない服装をした女性が多いな、という感想を持ったが、Zepp羽田で行われるライブの観客のようだ。
飛行機を見上げて、またいつか来るかしらと、退散する。
京急の駅地下通路を進み、天空橋を渡ると、超住宅街。
穴守橋のほうにいくと、キャスターバッグを持ったスーツの若い人たちが歩いている。
研修のために離れた地からやってきて、近くのホテルに宿をとっているのだろうか。
穴守橋の欄干をしばらく見て、天空橋に戻ることも考えたが、歩いていけそうな距離に整備場駅が見えたので、歩く。
23区内随一の秘境駅を訪問し、上りのモノレールに乗る。
首都高速羽田線の鮫洲の工事には、あらためて驚きがある。
大師橋ももうすぐ架け変わるし、えらいものだ。