鄙泉
2021-05-05
5月は「NHKオンデマンド」の加入月である。
2020年からそうすることに決めた。
今見ているのは「トクサツガガガ」。
小芝風花が美しいのもあるが、話に興味があったので、楽しんでいる。
休みを強制的に取得させられて、それでいて外出を控えるよう要請されているので、ビデオを借りるためレンタルショップに赴く。
偶然目についた「日本映画-ドラマ-マ行以降」の棚を物色し、この中から1作品を選ぶことにする。
ついうっかり「水の中の八月」(石井聰互映画版)を選びそうになるが、それをぐっと我慢して先に進み、「無能の人」を借りる。
「無能の人」を見ていて、昔FBSで日曜の夕方、「笑点」の前に「下落合焼とりムービー」を放送していたことを思い出す。
あれをあの時間帯に流す放送局は控えめに行ってどうかしていて、当時純真無垢だった少年はその悪ふざけ的な不条理にぶつかり、しばらくトラウマとして悩まされた。
もちろん「無能の人」を見て同じ感想を持つわけもない。
素直に話に引き込まれてしまう。
先日BSプレミアムで放送されていた「セーラー服と機関銃」を見ていて、代々木や南新宿のあたりの街並みの趣に気づかされたのだが、この「無能の人」でもそれが存分に表れている。
街歩きが楽しくなる。
さて、この借りてきたDVDで本編以外に楽しめるのは、コメンタリーである。
制作から15年後に吹き込まれたコメンタリーは、竹中直人監督と当時照明助手であった田中要次によるものだ。
このコメンタリーを聴くためだけでも、改めてDVDを手に取ることををお勧めしたい。
映画とは監督の手によって丁寧に作られたものであり、多くの人の協力が必要なものであり、愛されるものであることよくわかる。