曇天の続き

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2020-10-02 Fri.

横犬

2020-10-02

僕にとって、1980年生まれの芸能人群は、黄金世代、ゴールデン・ハーベストと称したい世代である。
誰もを魅了する田中麗奈さんはもちろんのこと、広末涼子、榎本加奈子、小嶺麗奈、酒井若菜、篠原直美、宮澤寿梨、八反安未果…、よくわからなくなってきたが、とにかく田中麗奈さん他を輩出した年である。

ところで、僕にとって1998年は、映画館で映画を多く見た年であった。
この年の秋は、1998年10月10日に見た「がんばっていきまっしょい」のほかに、 「L.A. コンフィデンシャル」「弾丸ランナー」「犬、走る DOG RACE」「落下する夕方」「CUBE」を見た。
講義に出るか、映画館に行くか、家でTV番組を見るか、家でVHSの映画を見るかの生活だった。

その時期に「イノセントワールド」を映画館で見た、という記憶を、最近の出来事が無理やり掘り起こした。
桜井亜美原作、下村天監督作品。
たしか、渋谷のシネ・アミューズだったと思う。
内容はかすかに覚えているが、記録によると、1998年10月16日に見て、最初の2分間がよく、この日はキャベツを千切りにしているときに指を切ったようだ。
そのころから見てきたのだな、と思う。

埼京線ホームに降り、井の頭線改札に抜ける新通路を確認し、かつてシネ・アミューズがあった前を通り、東急百貨店本店の右脇の道を進む。
渋谷を歩いても、過去の様子を思い出せる自信がない。
変わらないと自信を持って言えるのは、道くらいだろうか。

アップリンク渋谷に行くのは、これが初めてだと思う。
建物の前では、不当な扱いを訴えているような人は特にいなかった。
売店とカフェとが一体化しているチケット売り場に、早くも軽い疲れを覚える。
おそらく、20世紀に建てられた建物であり、21世紀に改装された気配のないトイレで用を足し、自分のポリシーを軽々と破る。
ビルの2階に階段で上がり、開場時刻までポスターを眺める。
スクリーンの前には備え付け以外の椅子が並べられていて、もうこういうのに耐えられるほどタフではないな、と落胆する。

映画「ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩」。
見るのなら、映画館で見ようと思っていた。
時間を作って見に来てよかったと思う。
サックス奏者の阿部薫のことを、この映画で初めて知った。

映画館を出て、通りの飲食店をのぞくが、楽し気な若い人たちで店が満たされており、僕とは関係のないところで街は正常を取り戻しつつある、と知る。
駅までは、バスケットボールストリ…、センター街を通る。
10年以上は体験していない夜のセンター街だが、こちらも若い人たちが多く行きかう。
永遠に縁のなかった世界に対して、その後悔すら捨てなければならないのだと悟る。

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