護符
2019-09-22
父親に電話をかける。
先日の台風の被害状況を尋ねられた。
房総南部はひどいものだが、自宅周辺では特に被害が出ていないことを伝えると、「それは、ふがいいね」と返された。
僕は「ふがいい、とはなんね」と聞いたが、父は「そういう言い方があるんよ」と返した。
この年になって親から言葉を教えてもらい、自分の不勉強を恥じ、「後で辞書を引くよ」と返した。
また父をがっかりさせてしまった。
辞書を引いてもよくわからなかったが、おそらく「符が良い」という漢字をあてるのだろう。
「運がいい」という意味のようだ。
たしかに、台風の被害がなく、運がよかった。
ところで、以前より半ば冗談めいて、「千葉から先の房総半島こそ、文明が行き届いていない」と言ってきたのだが、それは冗談ではなく、「東京の隣」という「油断」が拍車をかけて、「行き止まり」である房総半島に文化や情報の伝達を阻害している、と思っていた。
それが現れたとは決して思わないが、それほど遠くない地域の状況が今でもあまり実感できない原因は、自分の関心の薄さにあるのだと思う。