赤外
所用があり、出身大学のキャンパスに向かう。
キャンパス前の通りの様相が、少々変わっている。
以前は、キャンパス外で食事をとるのに苦労していたが、今ではラーメン屋が数店出店している。
蘭州牛肉麺の店もできていた。
また、タピオカドリンクの店もあり、ここまで進出していることに驚く。
そして、意識が高そうなカフェがいくつか。
あやしい。
担々麺屋で昼食。
卒業後に開いた店だが、数回来訪している。
ここの担々麺が、自分の好みに一番近い担々麺。
次は辛さ増しを注文しよう、いつになるのかわからないけど。
キャンパスの中は、少しずつ小ぎれいにはなっているが、佇まいはさほど変わらない。
久しぶりに来たので、ついでに図書館の利用証の更新をする。
図書館は数年にわたる改装工事中で、こちらも中が少し変わっていた。
中を少し歩いてみたが、壁に利用者の意見が貼られており、「生涯学習の人と席を分けてほしい」とあったのを見て、大学を卒業して以来、大学に1円も払わずに図書館だけ利用している自分を少し恥じる。
まあ、税金は払っているから、いいか。
キャンパスグッズを売っている店を探る。
「おいに土産でも」と一瞬思ったが、即座に却下する。
UCLAのTシャツを着ている奴は、きっとずっとこんな傲慢でみっともない考えで生きているのだろう。
それにしても、大学で働いている、学生より少し年上の女性は、なぜ魅力的に見えるのだろうか。
駅に向かう帰り道、スーツの男に「学生さんですか」と声をかけられる。
小刻みに首を振るだけで、その場を立ち去る。
何を売られることになるのか気になるところではあるが、もしかしたらビッグビジネスのスカウトだったのかもしれない。
いずれにせよ、だましやすそうに見える人間であれば、学生かどうかにかかわらず声をかけているのだろう。
意識の高そうなカフェの脇を通り、駅に到着。