彦日
「下関北九州道路」は、僕の地元の事案である。
今回の件で、大きなケチがついた。
控えめに言って、調子乗りというだけの、実にスケールの小さい人間である。
僕は、交通路が早鞆の瀬戸に集中している現状を憂慮し、迂回する道路の整備が必要だと考えている。
代替路を整備することで、本州と九州のつながりがより強固になり、大動脈として機能することであろう。
つまり地元に直接の恩恵をもたらすわけではなく、その点でも、地元の議員が地元の利益を考えて要望することなどあるわけがないし、あったとしたらナンセンスである。
若松への利便性が高まるのを期待する程度で推進するような事業の規模ではない。
ところで、地元選出の議員とはいえ、首相が国土交通大臣に整備を要望する、とは、何なのだろう。
さて、そうはいっても、早鞆の瀬戸と比べ、計画箇所の海峡幅はかなり広い。
この距離を橋なりトンネルなりで結ぶのは、簡単なことではない。
これとは別に気になるのは、北九州側の取り付け道路の整備である。
計画では都市高速2号線に接続することになっているが、それだけでは、東九州自動車道はもちろんのこと、九州自動車道のバイパスとしても機能しない。
その先の5号線につながるとしても、既存の大谷ジャンクションから4号線に入るには、ジャンクションのカーブはきついし、4号線には時速60キロ制限がある。
黒崎バイパスから引野口につなげる道路を作り、そこから4号線に入るという案を思いついたが、そこまでやれるのだろうか。
「海のバイパス」と言われた関門海峡フェリーが廃止された今、ここに道路を作る必然性があるのだろうか。
取り付け道路を含めて、周辺の見慣れた環境が変わり、生活道路に大きな影響をもたらすことに、古い自分がついていける自信がない。
いっそ、小倉製鐵所の高炉跡を有効活用し、そこに作ったらどうだろう。