納涼
駅での会話を聞いた。
「去年は高畑淳子の息子が事件起こして、出られなくなったじゃん。だから、手越はないと思うんだ。宮迫もありえなくない? 小山君かなー」
僕も、この女子高生と同じ年のころであれば、同じようにメディアを楽しんでいたのかもしれない。
もちろん、あざとさやドタバタを含めて。
それでも、人前で話題にするようなことをしたかは、疑問である。
僕の予想は、千眼美子。
なんだか、寄付が集まりそうじゃないか。
あるいは、原裕美子。
走る理由がありそうじゃないか。
ボケもこれくらいしか出てこない。
思い返せば、これまでのマラソンランナーなんて、間寛平など一部を除けば、大したことないメンツだったではないか(ちゃんと「一部を除けば」と言っている)。
僕はもうほとんど興味がないのでいいのだが、一部は「もうマラソンやめれば」と言っている割に視聴率とっているのが現実だ。
続けられるだけ続ければいい、犠牲者にならないように逃げ回ればいい、志願者だっているのだろうから。
でも、見てしまう。
どんだけみっともない発表になるのか、その醜態を見たいのだ。
子供のころは、「24時間テレビ」でローカルパートに入るのがとても残念に感じていたのだが、今となってはローカルパートが見られなくなったこと自体が残念である。
「札幌担当は、伊奈かっぺいか」みたいなおもしろさが、よかったのだ。
エンディングでマラソンはゴールしていてほしくて、各放送局のリレーを10分くらいかけて大写しで見たい。
途中、羽鳥慎一の「発表は1時間後」という心あるアナウンスのおかげで、安心してチャンネルを変える。
そうは言っても、今日は他に見たい番組が一切ない。
TV界全体で勝負を捨てているのか、それともこの勝負球が僕に刺さってこないのか。
録画した番組を見て、日本テレビに戻ると、それはそうだろうという結末。
これまでのハイライトは、坂本氏の奥さんが中学時代の修学旅行のバスガイドであったこと、当日発表案を坂本氏になすりつけたこと、そして広末涼子の突然の登場である。
最終的には、TBSに移り、松山千春の歌を聴く。
この心意気に対し、映像を撮影し、しかも映像をメディアに提供するような、品のない人間には決してなりたくない。