動員
2017-04-05
NHK「ファミリーヒストリー」を視聴する機会が多い。
この番組でよく取り上げられるのは、第2次世界大戦の終戦直前にゲストの父親や祖父が徴兵され、朝鮮や満洲に送られ、そのまま終戦を迎え、その後何年も抑留、もしくは外地で死亡(病死or殺害)、という苦難を描くケースである。
後世から見たうえでの感想だというのは心得ているものの、見ていて腹立たしい。
敗色強い中で、戦力を補うため追加で徴兵され、戦線に送られるのは、大陸に置き去りにされにいくようなものだ。
あと数か月ずれていれば、国内で終戦を迎えただろうし、縁のない外地での受難もなかった。
そう思うのも、僕の祖父も徴兵され、南九州に駐留しているときに終戦を迎えたからだろう。
終戦がなければ、南方に送られる予定だった、と聞く。
従軍時、祖父の子、すなわち僕の親はまだ生まれていない。
もっとも、終戦前に、当初の予定通り小倉に原子爆弾が投下されていれば、今の僕がいない可能性は高い。
こういうことを言えなくなるような社会を阻止するためにも、今ここに書いておこう。