透見
2016-11-07
「じゃあ、どの分野が一番詳しいの」
いろいろな分野の話に食い込もうとする僕に、そんなありがたい質問をしてくれた人がいた。
「どれかにしぼれよ」という忠告なのだろう。
自覚としては、「一番の分野」などない。
どの分野も中途半端にちょこちょこと雑学を仕入れているにすぎない。
それも新聞やウェブサイトを読んでいたら自動的に入ってくるような内容であり、およそ専門的とは言えない。
幅広く薄く知っているから、多くの人は、僕に対し「それだけしか知らないの」と思っているはずだ。
ところで、苦手な分野なら思い当たるものが2つある。
1つは生物である。
花の名前や虫の生態などには、全く興味がない。
これを言うと「人間も興味がないのですか」と問う人がいるのだが、情けないことに答えは「Yes」である。
もう1つは宇宙である。
星座や星の名前は知らないし、夜空を見上げても、判別できるのはオリオン座とカシオペア座だけだ。
宇宙規模の話を聞くと嫌気がさしてくる。
先日のアイソン彗星が地球に接近した時も、「1光年離れたオールトの雲から100万年かけて太陽に近づき、結局砕けた」「オールトの雲は、もともと木星近くに存在していた天体が太陽から離れていったものであり、1兆個の天体が含まれる」などと聞くと、もうどうでもよくなる。
先日も、1等星の数が21個であることを初めて知った。
それまで何の興味もなかったから調べなかったのであり、おそらく今後も興味を持たないのだろう。
宇宙と生物を興味の対象から除外すると、まあ何とすっきりとした空間が広がっているものだろうか。