曇天の続き

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2016-01-08 Fri.

帽子

2016-01-08

数年前から、スーツやビジネス用のシャツは、パターンオーダーであつらえている。
こだわりがあるわけではなく、腕が長く、首が細く、胸板が薄いという特異体型ゆえの選択である。
セールを狙って店に行き、わかりもしないのに生地を選び、興味もないのに襟や袖口の形を指定する。
楽しいのはせいぜい、裏地やボタンの色を選ぶ時くらいだ。
そのボタンも、貝ボタンのようなオプションを選ぶことなく、基本料金で済ませる。
カジュアルでも、パンツは既製品でもまだ丈の調整ができるのだが、ジャケットはサイズが気に入るものがなく、オーダーを選んでしまう。
最近では、コートのオーダーまで考え始めている(まだ実行していない)。

そんな僕が共感を覚えるのは、街を行くかつら愛用者に対してである。

僕が気付く「かつら愛用者」は、つまり僕が気付くくらいだから、およそフィットしていない。
今朝見かけたかつら愛用者は、かつらと地毛の色があきらかに違っていた。
同僚と歩いていたが、その同僚はどう思って(おそらく)客先へ向かっているのだろう。

かつらにも既製品はあるだろうが、基本はオーダーメイドだろう。
そのオーダーメイドにも、ランクがあるはずだ。
より細部にこだわりだすと、値段も高くなる、たぶん。

1度かつらを使い始めると、そのフィット感が気になってくる。
頭に合っていなければ、かつらを着用していることが広く知られてしまう。
加齢によって、地毛の色も変わるし、毛量も変わってくる。
頭の状況に合わせて、かつらも徐々に変えていかなければならないだろう。

…そんなことを、パターンオーダーの経験から憶測する。
僕は、オーダーのシャツを着るようになってから、袖丈の短いぶかぶかの既製品を斬るのに恥ずかしさを感じるようになった。
今となっては、オーダー以外のどこの店で服を買えばいいのかわからないくらいだ。

既製服と同様に、選挙も、限られた選択肢の中から妥協して選んでいるだけなのだ。

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