俊足
2012-08-12
映画「暗いところで待ち合わせ」を見る。
以下は、ネタバレを含む。
ちょっとしたエピソードにも意味がある、というドラマが苦手である。
例えば、「フィルムを使い切りたいから」という理由で、レンズ付きフィルムをレストランで取り出し、撮影するシーン。
これぐらいであれば、見ているこちらも「たぶんこれは、後で話に利いてくるのだろう」と構えることができる。
あまりに唐突だったし、不自然であったからだ。
一方で、「私、元陸上部だったから」という台詞は、「聞き流したい」と思った。
この台詞もかなり唐突に現れたが、本筋に関係のないキャラクター付けがあってもいいではないか、という余裕を持つことを選んでしまったからだ。
すべてを無駄にしないようにする態度は、何だか息苦しくなってしまう。
それにしても、列車の運転手の資質を問いたくなる。
プラットフォームの下に隠れ、そこからはい上がりかけてくる人間を見逃すとは、この運転手は何と注意散漫なのだろうか。
それとも、案外見えないものなのだろうか。
そして、他人に殺人の罪をなすりつけようとまでした狡猾な人間が、激情に駆られて露呈リスクの高い殺人を試みようとするものなのだろうか。
これは、殺人者の心理なので、僕には理解しがたい。
以上のように、映画を見ても話にのめり込むことができなかった。
それでも、田中麗奈の美しさが存分に表れている映画なので、僕は文句を言わない。