曇天の続き

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2012-05-09 Wed.

外籍

2012-05-09

猫ひろしのロンドンオリンピック出場は果たされなかった。

僕は、お笑いが好きである。
バイアスがかかっていることを自覚しながら、以下の文章を記す。

僕は、猫ひろしがカンボジアの国籍を取得してオリンピックへの出場を目指しているという話を聞いたかなり初期の段階から、「それはないのではないか」と思っていた。
確かに、タイムは速い。
しかし、手段がテクニカルすぎるのではないか。
そして、各方面の思惑が存在するのでは、という疑念がどうしてもぬぐえない。

それでも、彼がやると決めた以上は、期待の気持ちを込めてお笑い芸人である猫ひろしを見ていこう、と考えた。
そもそも、出場資格を与える人たちが「出てもよい」と考えているようなのだ。
正当とされている手段で出場するのだから、文句はない。
関係がないと言ってはそれまでだが、桂きん枝も参議院選挙に立候補したではないか。

今年の始めに、猫ひろしが2時間30分台のタイムを出した。
このタイムならば、少なくともタイム面での問題はないだろう、と僕は感じた。

タイムを出した後、異論を唱える人たちが出できた。
ただ、言っても、他国のやっていることだ。
こちらが何を言おうと、決めるのはこちらではない。

むしろ、僕はその頃から、仮に出場したとして、レースの国際映像が彼を映すことがあるのだろうか、と考えるようになった。
そして、できれば、映像に映らないで欲しい、と願った。
世界がどう見るかはともかく、こちらに(こちらのメディアに)受け止める度量があるのか、気がかりだったからだ。
たとえは悪いが、F1の下位チームに対するような扱いを国際映像にはして欲しかった。

出場資格がどうのこうのなってきた頃、別のカンボジア籍の選手が猫ひろしの記録を上回るタイムを出した。
これには正直、ほっとした。
出場資格にかかわらず、タイムで猫ひろしの敗北が決し、陰湿な論争に巻き込まれることが回避できただろう、と感じたからだ。
結局、国際陸連の裁定で猫ひろしに出場資格がないことになり、ひとまず収束した。

とにかく、盟友である城咲仁のコメントをとってくる、という発想が欲しい。

それにしても、国際陸連は厳格だが、一方で高野連は実に融通が利く。
出身地にかかわらず、高校に在籍していれば地域の代表として認めるのだから。
所縁のある地域の代表チームを応援する人々も、その辺は実に寛容である。
選手が飲酒して法を侵したと判明しても、タイトルが剥奪されないところも、すすんでいる。

さて、それでは一体誰が、猫ひろしをロンドンへ連れて行ってくれるのだろうか。
手のひら返しをしないのなら、きっとTBSが連れてってくれるはずだ。

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