積乱
2012-05-06
昼下がり、映画「Shall we ダンス?」の放送が始まった。
この映画は葛藤というか、逡巡というか、ことがすんなりと進まずに時間を使って描くところがいい、と僕は思う。
結果がわかっているのに、「まだ教室に行かないのか」、「まだパートナーを組まないのか」、「寄り道しないでダンスホールに駆けつければいいのに」と言ってしまう自分がいる。
後から調べてわかったことに、「Shall we ダンス?」のアメリカ公開版は上映時間が2時間で収まるようにオリジナル版を編集されたそうだが、それはとても残念なことだと思う。
映画を見ている途中から、自宅周辺の様子が変わり始めた。
風が音を立て始め、空には暗雲が立ちこめてきた。
辺りは、短時間ですっかり暗くなってしまった。
「ひと雨来るのかも」と察知し、干していた洗濯物を取り込んだ。
そのすぐ後、強い雨が降り出し、雹も降ってきた。
風はさらに強くなり、外に設置してある半畳ほどの広さの物置が倒れてしまった。
1時間ほどで風雨は収まった。
竜巻が発生したことを知ったのは、夜のニュースを見たときだった。
「武蔵野では(ありがたいことに、というべきだろう)なかなか本物の竜巻を目にすることができない」と村上春樹は書いていて、僕はそれを無批判に受け入れていた。
しかし、その認識を改める必要性が出てきたのだろう。
この地は、安心して住めるような場所ではない。