息吹
2012-01-04
元日。
親戚が小倉の実家に集まるので、昼前からその準備を始める。
アルコールに侵された体にむち打ち、テーブルを並べ、近所へ食事を受け取りに出かける。
鮮魚店に注文していた刺身がまだ出来上がっていなかった。
時間つぶしに、子供のころに母親の買い物についていった、古い市場を見に行く。
小倉にはいくつかの木造市場があったのだが、現在ではどこも古くなってしまい、多くの店が閉店してしまっている。
この市場も例外ではなく、市場そのものはまだあるのだが、店はもう営業していないようだ。
市場の近所をよく見れば、飲み屋やらスナックやらがいくつか並んでいる。
ここは住宅地であまり似つかわしくないように感じたが、近くに製鉄所の社宅があることを思い出し、納得する。
昔は飲食店の需要があったのだろう。
その社宅も、今は閑散としている。
こういう風景が今も残っているおかげで、外部の人から「懐かしい」と言われる。
風景を見慣れてきた人間にとっては、実に不思議だ。
昨年は、小倉の市場で大きな火災が2件発生した。
残しておきたくとも、生活している人間にとっては不安で仕方がない。