小倉苦・復
小倉を離れる。
タクシーで駅まで向かう。
SUGOCAで代金を支払うことが可能なタクシーだったので、Suicaで支払う。
運転手が、ちゃんと支払われたかとても不安そうにしていたのを見ると、申し訳ないことをしたのかも知れない。
やはり、まだ現金かな。
駅弁を2つ買い込む。
今度帰省したときは、まずは改札内の土産売り場に立ち寄り、次に改札を出てひまわり通り、そして駅1階の土産売り場に行き、それぞれで土産を購入しようと思う。
新幹線で東京へ向かう。
新下関駅を過ぎた頃、車内販売のコーヒーを飲み、姫路駅を過ぎた頃、「小倉のかしわめし」を食べる。
折尾駅の立ち売りで有名なかしわめしは東筑軒のものだが、僕が買うのは必ず北九州駅弁当のかしわめし、それも「特製」ではない方のものだ。
これで、今年1年もがんばれる、というものだ。
若干遅れ気味で列車は進み、新横浜駅。
駅前が若い女性で混雑していることに気づき、横浜アリーナで何らかのイベントが行われるようだと推測する。
そういえば昨年も小倉から戻ってくる際に同じ光景を目撃した、と1年ぶりに思い出す。
夕方には、自宅に到着。
この時間に家にたどり着くようにすると、列車はそれほど混んでいないので、疲れが残らない。
こうやって、少しずつ状況を改善するより他に、確実な進歩はない。
自宅では、科学忍者隊ガッチャピンのぬいぐるみが床に転がっていた。
元日に発生した地震のせいで棚から落ちたのだろう。
彼にとって今年は悪い1年になるのかも知れないが、僕には関係ない。
夕食は、小倉駅で買ったもう1つの駅弁、「うにめし」。
ある作家は「「うにめし」というが、うにがどこにも見当たらない。箸でかき回していると、アルミホイルに包まれたほんのひとくちのうにが見つかった」と書いたが、まさかうにの炊き込みご飯であることに気づかなかったわけではないだろう。