曇天の続き

Diary > 2011 > 11 > 08 | Prev < Calendar > Next | RSS 1.0
2011-11-08 Tue.

壺算

2011-11-08

今持っている携帯電話を購入したのは、2007年7月だ。
目に付いた店で、目に付いた機種を衝動的に購入する、という、僕としてはあまりやらない方法で買い換えた。

それから4年が経過した。
今の機種にするまでは携帯電話を2年おきに買い換えていたのだが、この機種にしてからは4年間買い換えなかった。
なぜなら、僕にとって魅力的な新機能が発表されなったからだ。

今使っている815SHは、使用しているうちに外装の表面がとれる、という特徴がある。
4年も使っているので、僕の携帯電話はかなりみすぼらしく見える。

そろそろ買い換えようか。
ショップでカタログをもらってきて、検討を始める。

カタログを見てわかったことは、今売り出されている機種はほとんどがスマートフォンで、元々の携帯電話(フィーチャーフォン)の新機種はごくわずかである、ということだ。
そのフィーチャーフォンも、僕が持っている携帯電話と機能がほとんど変わらず、せいぜいワンセグが付いているか、カメラが高機能化されているか、ぐらいの違いしかない。
さらに言えば、フィーチャーフォンの新機種の中には、液晶ディスプレイがQVGAのものがある。
僕が持っている815SHのディスプレイはVGAで、もし買い換えたらダウングレードになる。

これは推測だが、メーカーはフィーチャーフォンの開発にもう力を入れていないのではないだろうか。
2011年度に新しく発売されるソフトバンクのフィーチャーフォンの機種は、わずか2種類である。

現状で、スマートフォンにしたいとは、まだ思えない。
それにはいくつか理由がある。

一番怖いのは、ウィルスの感染だ。
対策ソフトを入れると料金が発生するし、動作も遅くなる。
かといって、対策ソフトを入れないわけにはいかない。

また、スマートフォンでウェブにアクセスすると、スマートフォン専用のウェブサイトに誘導される。
そのため、携帯電話用のウェブサイトを閲覧するのに比べて、パケット量が増大する。
僕みたいに、携帯電話のウェブ機能をほとんど使わない人間でも、ごくまれにウェブ機能を利用する。
少し使っただけで、パケット通信が増え、多額の料金が発生する。
それを防ぐためにパケットし放題のサービスに加入すればいいのだが、それはそれで金がかかる。

で、スマートフォンへの買い換えは先送りして、フィーチャーフォンの中でもまだよさそうなPANTONE 3で妥協しようか、と決める。
QVGAだが、ワンセグも付いているし、辞書機能も付いている。
何より、今のみすぼらしい携帯電話を手放すことができる。

ところが、購入代金の支払いシステムを知り、買い換えを躊躇してしまう。

ソフトバンクは、買い換え時に「月月割」という料金割引サービスを提供している。
電話機の代金を支払う必要があるが、その代わりに月々の支払い料金を割り引いてくれる、というものだ。
この割引対象に、ホワイトプランの基本料金は含まれていない。
僕は携帯電話でウェブも見ないどころか、発信もほとんどしないので、月々の支払いのほとんどは、ホワイトプランの基本料金が占めている。
これが割引されないのであれば、割引のメリットは大きく減ることになる。

以前は、「月月割」で基本料金も割り引いてくれたのだが、2009年にシステムが変更され、基本料金からは引かれなくなったのだった。
当時そのことを知った時に感じた怒りを、ここでまた新たにぶり返してしまった。

割引の限界に達しないことを店員に説明したら、「だったら、割引がきく範囲内でおすすめしたい別のサービスがあります」と言われてしまった。
まったく、壺算じゃないんだから。

ということで、買い換えは見送り。
古い携帯電話を使っていることを人に知られないよう、電話機を手で隠して使用することになる。
2012年3月発売予定の105SHも、あまり期待できそうにない。

ちなみに、「壺算」とは落語の演目である。
僕はこの話を最近知り、「藤本先生は、ずっちぃーな」と気づいてしまった。
この話と似たようなやりとりが、「ドラえもん」の「世の中うそだらけ」の導入にあったのだ。
落語がお好きであった藤本先生は、落語からネタを借りてきていたのだった。

いやいや、こうやって読者が知らない間に、藤本先生は我々の教養を高めてくれたのだ。
感謝しなければなるまい。

Link
Diary > 2011 > 11 > 08 | Prev < Calendar > Next | RSS 1.0