曇天の続き

Diary > 2011 > 10 > 29 > | Prev < Calendar > Next | RSS 1.0
2011-10-29 Sat.

立地

2011-10-29

そのコーヒーショップに入った瞬間、ここがどこであるかを思い出した。

疲れ果て、体制を整えるために入った店の中は、他の店とは少し変わった客層に占められていた。
手前には、脇に伊勢丹の紙袋を置いたご婦人の客が2人いる。
他に女性の姿はなく、その奥には男性の一人客がずらっと並んでいる。
ビジネススーツを着た人はおらず、一様に髪が短く、肌がつるっとした印象。
さらに奥にある喫煙スペースにも、男性の一人客が多い。

ここは、新宿2丁目である。

僕はどんな人に対しても「相互不可侵」の姿勢で臨もうとするが、このような場所では特にそれを前面に押し出したくなる。
人は自由だし、僕は関わらないし、邪魔もしない。
他の人の政治思想と性的嗜好については口出ししない、というのがルールだ。

それでも、まあこれは思い過ごしだろう、と思い直す。
ここは小さな喫茶店ではなく、都内に多くあるコーヒーショップチェーンだ。
客層が制限されていることはないだろう、と。

レジには、短髪で、色黒で、中肉中背で、健康そうで、さわやかな笑顔で接客する男性店員がいた。
…いやいや、人を見かけで判断するのは、偏見だ。
落ち着きを取り戻すために深呼吸し、コーヒーを頼む。

店員からコーヒーを受け取り、レジを離れる。
すると、男性店員はそばにいた女性店員に向かって声をかけた。
高く、裏返った声で、手まで振って。

30分ほど店にいたが、特に変わったことはなかった。
でも、やはり自分の存在が邪魔になっているな気がしたので、今後行くのは控えようと思う。

Link
Diary > 2011 > 10 > 29 > | Prev < Calendar > Next | RSS 1.0