曇天の続き

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2011-09-25 Sun.

道化

2011-09-25

人のパネルの取り方を笑うな。

今日の放送では、解答者のパネルの取り方、特に角のパネルの逸失について、司会者が粘着質的にこだわっていた。
昨今の風潮を鑑みて、わかりやすい失敗を面白おかしく取り上げることが、番組を盛り上げるために必要だ、とでも考えているのだろう。

言うまでもないが、「アタック25」とはパネルの獲得枚数を競うゲームである。
決して問題を多く答えることが目的ではないし、ましてや角のパネルを獲るゲームでもない。
適切なタイミングで解答し、効率よくパネルを獲ることが重要である。
確かに、角のパネルを獲ることが戦略的に有利に働くことは多いが、それがいつでも有効なセオリーであると考えるのは、初心者にありがちな間違いであり、僕は20年以上勘違いしていた。
専門家によると、終盤になって角のパネルに執着することが適切でない場合もあるのだという。

そういうことがわからないのは、別に構わないと思う。
問題なのは、自分にはまだわかっていないことがある、ということを認識しているかどうかだ。

いや、角に執着するのはまだいい。
だったら、その姿勢を徹底するべきだろう。

今日の放送では、赤の解答者が5番を獲るチャンスを見逃し、そのことに司会者が最後までこだわっていた。
しかし、その前に、青の解答者が1番を獲れるチャンスがあったにもかかわらず、青は7番に入った。
それについては、司会者は何も触れずにスルーしてしまった。

僕は、青が7番に入るのを見て、何かしらの違和感を持った。
しかし、次の問題へすぐに移ったので、角を取れたのかどうか僕にはわからなかった。
後で棋譜を確認すると(驚くかも知れないが、「アタック25」の棋譜(?)を公開しているサイトがある)、判断の難しいシチュエーションではあったが、ルール上青は確かに1番に入れた。

同じ回の放送の中で、一方のチャンスについては(意図的かどうかは知らないが)スルーし、もう一方のチャンスについてはしつこいまでに攻撃する。
本人は得意ぶっていたが、司会者はこの日極めて恥ずかしくお粗末な醜態をさらした。

僕が考える「アタック25」の司会者に必要な資質のひとつは、解答者のパネル選択を誘導しないことである。
下手に誘導してしまうと、解答者が誤った戦術を選んでしまう危険性が生じるからだ。
この点について、今回の司会者の行動は実に不適切である、と僕は考える。
司会者が解答者のパネルの取り方を面白おかしく取り上げ、解答者の尊厳を蹂躙することは決して許されない行為だ。
もっとも、前任の児玉氏がそれを守れていたかというと、そうでもなかったこともあった。

今日の放送は、レッドとまでは言わないが、イエローカードである。
今後について、明確な不安を初めて感じた。
「アタック25」を30年弱しか見ていない僕が発する、取るに足らない警告である。

3連休ダブルヘッダーは、おわかりの通りTVばかりを見て過ごした。
「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」ことも、「祖先をうやまい、なくなつた人々をしのぶ」ことも、忘れていた。

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