莫々
田中麗奈が「トップランナー」の司会に抜擢されたと聞いたとき、嫌な予感が少しして、それゆえあることを願った。
それは、「田中麗奈が司会をしているときに、番組が終わらないで欲しい」。
というのも、「トップランナー」に出るような人はほとんど出尽くしてしまっている感があったからだ。
これは、長寿番組の宿命である。
NHKのオーディションとして、新番組の宣伝として、あるいは万が一新たな文化人が出現したときに備えて、番組を活用できる余地は十分あるのだが、それには間をつなぐためのゲストが足りない。
思い当たることはないだろうか。
例えば、「情熱大陸」を見るのは8回に1回くらいで、知らない文化人が取り上げられたら視聴をスキップしていないだろうか。
予想通りというか、期待に反してというか、「トップランナー」の放送は今年の3月に「休止」された。
田中麗奈が司会に着任してから、1年しか経過していない。
番組に出演していないトップランナーは、現段階でもはやひとりもいない。
それに、田中麗奈は来年の大河ドラマに出演することが決まったではないか。
司会への起用自体が、そのための最終チェックだったのだろう。
田中麗奈が大河に出るから、「トップランナー」が休止になった、というのが真実ではないか、きっとそうだ。
そう、自分に言い聞かせるようにしている。
長寿番組の終焉時にレギュラーとして起用されているのは、見ている方としては実に気が重い。
事実関係がわからないにもかかわらず、レギュラーに加入したせいで番組が終わったように見えてしまうからだ。
一時期のTKOのように。
そういった観点で、今最も怖いのは、やはり「いいとも」である。
「いいとも」がいつ終わるかは考えたくない。
考えなくても、数字が悪くなって、スポンサーの意向が現れて、誰かが決断すれば、6か月で終わる。
ただ、レギュラー起用期間が短いまま最終回を迎えたりしたら、その人たちは「あの「いいとも」を(内部から)終わらせた奴ら」という烙印を押されかねない。
いわゆる「番組クラッシャー」という、ありがたくないレッテルである。
「イロモネア」でいくらスベっても成立しているので構わないが、その空気を「いいとも」に持ち込むのは本当にやめてほしい。
言いたいのは、それだけだ。